エスエスシー(株)は、温度計測機器をもっと楽に組み込むためのモジュール「SSVシリーズ」を発売する。
本製品はサーモパイルアレイセンサを使用したモジュールで、温度換算された計測値が出力される。また複数のサーモパイル素子が同時に温度を測定することで複数の温度情報を出力する。標準品の販売だけでなく、利用者の要望に合わせたカスタム品やOEMも相談に応じるとのこと。
<標準品抜粋>
8×8画素タイプ、32×32画素タイプ、80×64画素タイプ
※上記以外の画素タイプと視野角を選択できる。
▶サーモカメラモジュールとは
サーモグラフィに利用可能な温度計測モジュール。
人や物から発生している放射エネルギー(赤外線)の量を測定することで、表面温度を非接触で測定することが出来る。サーモグラフィに利用される多くの製品は高額な“ボロメータ”を使用している。
▶今までの製品との違い
SSVシリーズ“ボロメータ”ではなく“サーモパイル”を使用している。
サーモパイルはボロメータより製造コストが少なく量産製品向けに適しており、連続した温度監視を特に得意としている。これまでは画素数がボロメータに劣っておりサーモグラフィとしての利用がされて来なかったが、最近では5,000画素以上のサーモパイルセンサがあり高解像度のサーモグラフィとして利用できるようになっている。
▶用途見込み
(人や物の検知)
サーモカメラで人や物を見ることで、温度情報から位置・数の検知が可能。夜間など目で人や物が確認できない状況でも使用することが出来、防犯を目的とした機器での利用や、施設内の空調・照明の管理といった省エネルギーを目的にした利用方法が可能。
(分電盤、電気設備の監視)
サーモカメラを使用して電気設備を継続監視することで、接続不良や腐食・酸化等による温度上昇を検知し、設備保全の手助けをすることが出来る。漏電による火災などの電気事故を未然に防ぐため、アラーム等の通知システムと組み合わせることが想定される。
(介護・ヘルスケア)
サーモカメラで人の表面温度を確認し健康状態を予測する目的や、体表面の温度情報から骨の歪みを予測する目的とした機器への組み込みが出来る。また、介護の現場で個室やトイレなどのプライバシーに配慮が必要な場面での見守りシステムに組み込むことも出来る。
(食品の温度管理-HACCP)
2021年6月から食品事業者に向けてHACCPに沿った衛生管理が義務付けられた。特に熱処理は重要管理点に指定されており、これまで以上に温度管理の意識を高める必要がある。サーモカメラは非接触で温度計測をおこなうため、衛生的な温度管理をすることが出来る。計測エリアを熱画像で確認でき、熱処理が十分でない部分を直感的に見分けることが出来る。
(道路の温度監視にも)
路面の温度計測を目的とした機器に組み込めば、温度測定を点ではなく面でおこなうことができ、温度の上昇率あるいは凍結の可能性を知ることが出来る。IoT技術との連携で遠隔地からその様子をモニタリングすることも可能。
製品詳細サイト(SSC):https://www.ssc-inc.jp/ssv-series/