関西大学システム理工学部の谷 弘詞教授は、東洋アルミニウム(株) および株(株)サーベ イリサーチセンターと共同して、摩擦発電マットを用いた通過人数計測システムの開発に取り組んでいる。
このたびマット下に置いた摩擦発電機の発電電力(約 2mW)によって歩数を計測し、ワイヤレス送信が可能なことを確認した。
ポイント
・大面積化が可能な薄く軽量な摩擦発電機をマットの下に配置
・歩行によって発電素子が効率よく電力を発生させ、送信モジュールに電力供給
・歩行数に応じた送信を行うことで、通過人数を計測
谷教授らの研究グループは、摩擦により発生する静電気を利用した発電やセンサの開発に取り組んでいる。開発した摩擦発電機は、薄いフィルム、電極から成り、大面積化が容易である。そこで上記 2 社と共同で歩行により発電し、ワイヤレス送信する通過人数計測システムの開発を行っている。今回の開発では、摩擦発電機をマットの下に配置し、電源制御回路を介してその電力をワイヤレス送信モジュールに供給することで、マット上を通過した歩数をモニタ出来ることを検証・確認した。
昨今のコロナ禍の影響もあり、あらゆる場所での混雑状況の可視化が求められている。カメラ+AI による可視化が一般的だが、カメラを使えない場所などに対応すべく、本研究を行ってきた。この摩擦発電マットを用いて通過人数を計測することで、混雑状況の把握や不法侵入の検知などが可能になると考えられるという。
※詳細内容は日本機械学会IIP2022(情報知能精密機器部門講演会(3月7,8日開催予定)で発表予定。
ニュースリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202201176141