ams OSRAMは、より広い視野(FoV)と拡張されたレンジでマルチゾーンおよびマルチオブジェクト検出を可能にした3つの新しいデバイスを発表した。これにより、dToFモジュールのポートフォリオを拡大するという。
dToFセンサ(*1)は、産業、家庭、ビジネスにおける自動化アプリケーションで幅広く使用される重要な技術である。産業用ロボットや家庭用ロボットは、安全な動作をするために、周囲の環境を検知する高度なシステムを必要とする。ams OSRAMのマルチゾーンdToFモジュールである、TMF8820(*2)、TMF8821(*3)、TMF8828(*4)は、検出領域を複数のゾーンに分割し、より高品質でより多くの情報を収集する。その結果、自動ロボットはより多くの「感覚的認識」を獲得し、潜在的な障害物を早期に検知できるようになる。また、システムメーカーにとっても、この新しいモジュールのコンパクトな設計と統合の容易さが利点となるとのこと。
(*1) https://ams.com/time-of-flight
(*2) https://ams.com/tmf8820
(*3) https://ams.com/tmf8821
(*4) https://ams.com/tmf8828
倉庫の自動化(*5)などの分野だけでなく、家庭にもロボットの活躍の場は広がっている。これらのロボットが支障なく動作し、環境内を動き回れるようにするために、特殊なToFシステムが使用されている。例えば、ロボット掃除機(*6)は周囲にある物体を認識し、障害物を避けて移動する。ams OSRAMの新しいdToFモジュールは、正確な距離測定を可能にする。
(*5) https://ams.com/industrial-robotics
(*6) https://ams.com/haba#household-robotics
TMF8820 dToFモジュール(*2)はFoVを3×3(9)、TMF8821(*3)は4×4(16)、TMF8828(*4)は8×8(64)の個別検出ゾーンにそれぞれ分割している。マルチゾーン検出により、センサFoV内にある障害物の位置を特定することができる。これらの新しいデバイスは、FoVを最大63°まで動的に調整でき、利用者は用途に応じて狭いFoVと広いFoVを選択することが可能。3つのdToFモジュールの検出範囲は、いずれも1センチメートルから5メートルまで。
これらのモジュールは、940nmの垂直共振器面発光レーザー(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting Laser)(*7)、マルチレンズ光学素子搭載の高感度単一光子アバランシェダイオード(SPAD: Single Photon Avalanche Diode)検出器アレイ、ヒストグラム処理用オンチップマイクロコントローラを1つのデバイスに統合している。2.0mm x 4.6mm x 1.4mmというコンパクトなサイズで、市販のマルチゾーンdToFモジュールとしては最小の製品となっているという。
(*7) https://ams.com/vcsel
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● ams OSRAMの新しいダイレクトタイムオブフライト(dToF: direct Time-of-Flight)モジュールは、光源、検出器、光学素子を1つのコンポーネントに集約
● TMF8820、TMF8821、TMF8828は、複数のゾーンでのターゲットエリアを検出し、極めて正確な測定を実現
● ゾーンごとに複数の障害物を5mの範囲まで検出可能
● 対象用途は、スマートフォンのレーザー検出オートフォーカス(LDAF)、PCのユーザー存在検出、産業、家庭およびビジネスにおける自動化システムのLiDAR(光による検知と測距)センシングなど
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※本リリースは、2021年12月17日にオーストリア・プレムシュテッテンで発表したプレスリリースの抄訳版。
プレスリリースサイト:https://www.dreamnews.jp/press/0000250621/