オン・セミコンダクターは、CMOSイメージセンサXGSシリーズの新製品「XGS 16000」を発表した。
XGS 16000は、1600万画素のセンサで、ロボット工学や検査システムを含むファクトリーオートメーションに、高品質なグローバルシャッタ・イメージングを提供する。XGS 16000は、65フレーム/秒(fps)での消費電力がわずか1ワットであるなど、低消費電力で優れた性能を発揮する。これにより、XGS 16000はクラス最高レベルの消費電力でありながら、29×29mmの標準的な産業用カメラでは最高レベルの解像度を実現しているという。
XGS 16000は、他のXGS CMOSイメージセンサと共通のアーキテクチャとフットプリントを採用しているため、カメラメーカーは単一のカメラデザインを用いて異なる解像度の製品を開発できる。XGS 16000は、フル解像度で最大65fpsの読み出しに対応し、様々なスピードグレードが用意されており、いずれもBayerカラーまたはモノクロを選択できる。
XGS16000の高解像度と高フレームレートは、高度道路交通システム(intelligent transportation systems: ITS)、マシンビジョン検査システム、産業用オートメーションのアプリケーションに使用されるカメラシステムの開発者にとって有益である。オン・セミコンダクターのグローバルシャッタのピクセル技術は、このようなアプリケーションにおけるローリングシャッタのピクセルに関する制限を取り除く。グローバルシャッタ方式を使用することで、モーションブラーやディストーションなどのアーチファクトを回避できる。これは、自動化、検査、および識別のアプリケーションにおいて、ますます重要になっている。
東芝テリー社は、マシンビジョン、医療用画像処理、セキュリティなどの主要な市場セグメントのアプリケーション固有の要件を満たす高性能カメラを開発・製造しており、同社は新製品の16Mp産業用カメラ「DDU1607MG/MC」にXGS 16000を採用した。DDU1607MG/MCは、DUAL USB3インタフェースという独自技術により、47fps以上で16Mpのモノクロおよびカラーの解像度を実現する。
XGS 16000は、独自の1:1の正方形アスペクト比で設計されており、カメラレンズの光学円内の画像キャプチャ領域を最大化し、最適な光感度を確保できる。この設計により、市販のCマウントレンズを使用した29 mm2の業界標準カメラフォーマットに対応している。これにより、カメラの物理的な大きさに対して、利用可能な視野とセンサ領域を最適に活用できる。
オン・セミコンダクターは、新しいカメラの設計を簡素化するために、XGS 16000 X-CubeおよびX-Celerator開発キットのカラー版およびモノラル版を提供している。このリファレンスデザインのキットには、MIPIインタフェースへの高速変換サンプルが付属しており、一般的なFPGA評価環境に迅速に統合できるとのこと。
プレスリリースサイト(onsemi):https://www.onsemi.jp/PowerSolutions/newsItem.do?article=1000958