亀岡電子(株)は、任意の場所に設置したセンサが浸水を検知すると、LINEで通知するとともに、地図上で浸水地点を見える化する安価なセルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)を発売開始した。内水氾濫による浸水検知に特化し、LINE通知を行うセンサの発売は国内初(亀岡電子)。
年々全国各地で水害発生リスクが高まるなか、身近な場所の浸水状況をいち早く知らせることで、人的被害や家財への被害を最小限に抑えることに寄与するという。
■展開背景
平成30年の西日本豪雨、令和元年の台風19号、令和2年の7月豪雨による被害など、毎年のように日本全国で水害が多発しているなか、各自治体では危機管理型水位計や防災カメラの設置が進められている。しかしながら、これらの機器は設置工事費を含めると1基数百万円になるものが多く、主要な河川等限られた場所にのみ設置されているのが現状であるとのこと。
■セルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)の特徴
KAMEKER3は、河川の水位を測るセンサではなく、内水氾濫時に早期に浸水する道路脇や、住宅近くの水路脇に設置することで、住民の避難に直結する「より身近な浸水情報」を提供できる、他には無い特徴を持った商品。
①シンプルな機能
・浸水を検知したいポイントにセンサを固定するだけ。システムに関する知識や電気的な専門知識は不要。
②低価格
・危機管理型水位計の10分の1程度のコストで導入可。通信費+アプリ利用料も500円/月以下。
③大掛かりな工事が不要
・乾電池式、セルラー通信式なので、電源引込工事、ネットワーク配線工事が不要。
④LINEでアラート通知
・専用アプリではなく、広く普及しているLINEを活用。
⑤浸水情報を地図上で見える化
・浸水している場所が地図上で赤く表示される。
⑥市販の乾電池で2年以上稼働
・市販の単三電池3本、単四電池2本で2年以上稼働。
■実証実験について
2019年7月から京都府福知山市の協力により、セルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)の設置を開始し、現在も福知山市内18ヶ所で実証実験を継続中。福知山市以外にも、複数の自治体において実証実験を実施し、そこで得られた課題をもとにセンサを改良することで、自然環境下においても安定して浸水を検知出来るセンサを完成させた。
■今後の展望
本製品は、従来の危機管理型水位計や防災カメラ等と競合するものではなく、身近な場所の浸水をLINE通知することによって「より迅速な初動対応に繋げる」という補完的な役割での使用を想定している。予算の都合で今まで手の届かなかった場所に安価なセンサを設置することによって、少しでも早く浸水を知らせ、人的被害や家財への被害を最小限に抑える一助となることを目指す。
2021年度は近畿地方、中部地方を中心とした複数の自治体で正式導入を予定しているが、九州地方をはじめ日本全国の自治体や自治会(住民個人)への導入拡大も展望しているとしている。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000060321.html