THK(株)は、2020年1月に販売を開始した製造業向けIoTサービス 「OMNIedge」(オムニエッジ)の第二弾として、ボールねじをラインナップに追加した。さらに、2021年1月には第三弾として、回転部品の予兆検知サービスを開始する目的で、30社を対象とした無償トライアルを実施する。
「OMNIedge」は、2019年の無償トライアル51社を経て2020年1月、第一弾としてLMガイドに対応するサービスの正式販売を開始した。 「OMNIedge」を年内に導入予定のユーザー主要装置は約300台、THK自社工場でも同様に約700台の製造装置に導入。部品の状態を「見える化」し、日々、数値の収集・解析をおこなっている。導入ユーザーからは多くの評価と要望を貰っており、あらゆるユーザーが最適に使えるソリューションサービスの拡大を目指していくという。
今回、第二弾として、待望のボールねじがサービスのラインナップに加わった。LMガイドとセットで使用されることが多いボールねじも、予兆検知のニーズが高く、早期のサービス提供が望まれていたとのこと。
さらに今後は、「OMNIedge」の適用範囲を回転部品やアクチュエータなどにも拡げる予定。機械要素部品の予兆検知を基盤とした装置全体の健康管理へと進展させるとしている。
〔特長〕
ボールねじの異音・異常振動を見える化
THKは、ボールねじにセンサを装着し、収集したデータを数値化、状態を可視化する独自技術「THK SENSING SYSTEM」を確立した。これにより、ボールねじの異音、異常振動を数値化して検知することが可能となる。
保全作業の効率化で生産性向上
部品の状態を数値化する「OMNIedge」を用いることで、従来、現場作業員の経験と感覚による確認・判断に頼っていた装置の保全作業に計画性を持たせることが可能。それにより、作業員の経験やスキルに左右されることなく保全作業を効率化でき、予備在庫の管理コスト削減に寄与する。さらに、保全の形態をこれまでの時間管理から状態管理に移行させることで、部品交換時期を適正化し、設備稼働率を高め、現場の生産効率を全体として向上させることができる。
製造業の課題解決に貢献
国内の製造業では、製造設備の保全作業に際し、熟練工の感覚に頼らざるを得ない場面がある一方、熟練工の高齢化や人手不足により技能継承が難しくなっている点が近年の重要課題として挙げられる。同社は、その課題を解決する手立ての1つとして、装置の保全作業の一端を担う「OMNIedge」をパッケージ化。ハードルが高いとされてきた製造業におけるIoTを、リーズナブルな価格で簡単に導入できる仕組みを取り入れている。
製品専用サイト(THK):https://www.thk.com/omniedge/jp/