(株)デンソーウェーブは、自動車用衝突防止センサ技術をベースにした新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」を2020年8月1日から発売すると発表した。
製品は2019年11月に鉄道技術展で発表した「ZONE D-RX」を近畿日本鉄道株式会社のフィールドにて動作確認を行い評価したもので、価格はオープン価格。2021年度販売目標は220台を想定しているとのこと。
この装置は自動車部品メーカーの(株)デンソーが開発した自動車用センサ技術をもとに、2017年から近畿日本鉄道(株)と共同で踏切障害物検知装置向けの開発を始め、研究と実証を進めてきたもの。
実証実験の結果をもとに、装置内のCPUを二重化して相互監視を強化し、万が一CPUの一方に不調が発生した場合でも、もう一方のCPUでエラーを認識できるフェールセーフ性を向上させている。これにより(公財)鉄道総合技術研究所の安全性評価を受審しており、踏切における安心・安全対策に貢献することができるという。
また従来より、レーザーセンサはレーザー光を照射し、反射光を測定して物体の有無を判断しているため、光の吸収率が高い黒色の物体や、表面が鏡面仕上げのような物体の場合はレーザー光の十分な反射光量が得られず、センサで検知しづらいという課題があった。
これらの課題に対し、「ZD-LS200RX」は、検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置して常時検知することで、黒色の車両等の反射光量を得られない物体が検知エリア内に侵入した時は、このポールが検知できなくなり、エリア内の侵入物が存在すると判断する仕組みを構築した。この特許取得技術により、検知率を向上でき、さらなる安全を実現するとしている。
〔製品概要〕
製品名: ZD-LS200RX
質量: センサ:約6000g 、バイザー:約 800g 、取付金具:約 1200g
サイズ: 320mm ×322.4mm × 300mm (幅×奥行×高さ)
価格: オープン価格
ニュースリリースサイト(DENSO WAVE):
https://www.denso-wave.com/ja/system/office/info/detail__200728_01.html