東京エレクトロン デバイス(株)(TED)は、化合物半導体ウェハ表面の欠陥を高速、高感度で検出するマクロ検査装置「RAYSENS」(レイセンス)を開発し、2020年6月9日から販売を開始すると発表した。
■RAYSENSについて
半導体デバイスの微細化、高機能化が進むにつれてウェハ表面の状態がデバイスの歩留まりや性能、信頼性に与える影響が大きくなり、ウェハ表面の欠陥検査の重要性が増している。昨今、5G通信などの次世代通信インフラや自動運転やEVなど次世代モビリティの分野での活用が期待されている化合物半導体は、ウェハが半透明であるため、対応できる検査装置が多くない。そのため、現在は検査員による目視検査や、一部の検査工程として検査機を使った抜き取り検査を行っているのが現状であるとのこと。
今後、化合物半導体が各分野の基幹部品に活用され、さらに需要が高まることが予想される中、ウェハサプライヤー、デバイスサプライヤーでは、ウェハの入出荷、加工工程における検査の効率化が課題となって来るという。
RAYSENSは、指向性の高い散乱光を精度良くセンサに取り込み表面の微小変化をとらえる光学技術を応用し、ウェハ表面の微小なキズなどのさまざまな欠陥を高速、高感度に検出するマクロ検査装置。
超低ノイズマクロ光学センサと専用照明を対象ワークに合わせて最適な光学系を構成にすることで、化合物半導体ウェハのような透明や半透明なものからシリコンウェハなどの非透明なものまで、幅広いワークの表面の微小変化を高感度にとらえることができ、独自の検出アルゴリズムにより欠陥を高速、高精度に検出する。
搬送部はウェハのカセット取り出しから検査、格納までをウェハ表裏面非接触で行うことでウェハの異物付着を抑制できる。従来、人手で行っているウェハの目視検査や工程内における抜き取り検査の自動化により、検査工数の削減や、全数検査によるウェハの品質安定化を実現するとのこと。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000010609.html