「Sigfox」を使った高齢者見守りサービスの 実証実験、システム構築に成功。

大阪府住宅供給公社(以下、公社)は、京セラコミュニケーションシステム(株)(以下、KCCS)、(株)Rootsと共同で、公社賃貸住宅において、IoT ネットワーク「Sigfox」と振動センサデバイスを活用した、高齢者見守りサービスの実証実験を 2019 年 12 月から約 2 か月間実施し、システムの構築に成功したと発表した。

■実証実験の背景と目的
公社賃貸住宅では入居者の高齢化が進んでおり、65 歳以上の高齢者の占める割合は、2010 年 1 月末時点では約 26%だったが、2020 年 1 月末時点では約 38%となり、この 10 年間で 12 ポイント上昇した。こうした急速な高齢化の進行に対応するため、公社では、「高齢者が住み慣れた地域で安心してくらし続ける」ためのサービスを検討している。 本実証実験では、IoT ネットワーク「Sigfox」と振動センサデバイスを活用し、離れてくらす親族が、インターネット環境やスマートフォンなどを持たない高齢者であっても、その生活を見守るシステムとして構築・運用することで、「見守られる」高齢者側と、「見守る」親族側双方の不安軽減につながるかなどを検証したという。

■実施概要
「見守られる」高齢者宅(10 世帯)の冷蔵庫ドアなど(1日1回は必ず開閉する場所)に振動センサデバイスを設置。高齢者には普段どおりの生活を送っていただくだけで、デバイスが検知した振動が Sigfox ネットワークを通じて、メールなどにより、離れてくらす「見守る」親族に通知されるとのこと。

■結果
本実証実験終了後に行ったアンケートでは、「見守られる」高齢者側と「見守る」親族側の双方から、不安軽減に一定の効果があったとの回答を得ることができた。

■今後について
3者共同で実用化をめざし、まずは公社賃貸住宅の入居者に対して導入を検討するなど、住み慣れた地域で安心してくらし続けて貰うための住環境の提供に努めていくとしている。

プレスリリースサイト(大阪府住宅供給公社):
https://www.osaka-kousha.or.jp/x-whatsnew/pdf/PressRelease_2020-03-12_02.pdf