極限環境下での高精度な地震計測を可能にする「光センサ地震計測システム」

白山工業(株)は、独自技術の位相シフト光干渉法を使った「光センサ地震計測システム」の提供を2020年7月30日より開始する。

本システムのセンサ部は、光ファイバと機械部品のみで構成される。センサ部に電子部品を使用しないため、従来の機器では実現できなかった極限環境下(高温・高圧・高線量・雷多発)での地震観測や防爆要求のあるプラント設備などへの適用が可能。また、電力供給が不要なため、メンテナンス性に優れ、長期の安定稼働が実現するほか、本システムでは1本のファイバ上に複数のセンサを接続可能なことから、海底や資源探査など遠距離条件下で広範囲の観測網を従来のシステムより低コストで構築することができるという。

主な特長
位相シフト光干渉法により、センサ部への電源供給なしに高い精度で(※)地震を計測する。
■ 光ファイバケーブルからセンサ部まで電源・電子部品が不要
■ 耐高温・耐高圧・耐雷・防爆・耐放射線性能に優れる
■ 遠距離・広範囲観測が可能
■ フィールドでの長期安定稼働が可能
■ 施工期間を短縮してコストの低減が可能
(※)静かな場所で実施した微動計測比較において、電気式広帯域地震計と同等の高感度、低雑音を確認。

背景と開発経緯
近年、資源探査や地震観測において、海底や大深度など、厳しい環境下での計測の要求が高まっている。しかし、高精度かつ長期にわたって安定した計測を行うことは難しく、白山工業は、電子回路やセンサ部への給電が不要な地震計の開発に取り組んできた。2014~2017年度はJOGMECの「技術ソリューション事業」の技術開発テーマとして採択され、開発と実フィールドでの長期実証試験を実施。2016年度からは文部科学省の 「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」の新たな観測技術の開発課題として採択され、桜島や浅間山にて性能や耐雷性の実証試験を実施した結果、長期間にわたり安定して高精度な計測が可能な地震観測システムが実現したとのこと。

販売価格
1システム 2,000万円から(計測条件・システム構成により異なる。)

ニュースリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202007152075