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東北の空の玄関口、仙台空港で警備ロボット『SQ-2』が本格稼働へ


SEQSENSE(株)は、陽光ビルサービス(株)との契約の下、仙台空港に自律移動型警備ロボット「SQ-2(エスキューツー)」を導入した。

SEQSENSEは警備ロボットシステムとして自律移動型警備ロボット「SQ-2」と、利用者自身で遠隔でロボットを運用し、警備業務に利用できるクラウドシステムを2019年より提供している。
「SQ-2」は、独自の三次元センサ技術・自己位置推定・リアルタイム経路計画を駆使した高い自律移動性能を有す。あらかじめ指定された点検・監視ポイントまで自律的に移動し、ロボットに搭載されたカメラで現場の映像をリアルタイムに警備拠点へと配信することができる。また、ロボットから送られた情報は、クラウドシステムへと蓄積されるため、巡回結果のレポート作成や録画映像を後から確認することもできる。
このような機能を用いて、空港という広大な空間での巡回業務を一部代替することで、労力削減を実現。更に、ロボットには遠隔通話機能が搭載されており、施設利用客への呼びかけや問い合わせにも対応可能である。

同社は、今後も現場ニーズを汲み取ったロボットの開発を継続し「SQ-2」を警備業務の新たなパートナーとして必要とされるプロダクトへ進化させていくとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000025363.html

ST、低軌道衛星向けに低コストの耐放射線性ICを発表

STマイクロエレクトロニクスは、地球観測やブロードバンド・インターネットなどのサービスを地球低軌道(LEO : Low-Earth Orbit)から提供する低軌道衛星向けに、耐放射線性パワー・マネージメントIC、アナログIC、およびロジックICを含む9製品を発表した。これらの製品は、低コストかつ高い信頼性を備えた小型LEO衛星の設計および量産の簡略化に貢献するという。

STの新しい低軌道衛星向け耐放射線性ICシリーズは、低コストのプラスチック・パッケージを採用しており、衛星の電子回路において重要な機能を提供する。今回発表された9製品には、A/Dコンバータ、電圧レギュレータ、LVDSトランシーバ、ライン・ドライバの各1製品に加え、発電および配電、オンボード・コンピュータ、遠隔恒星追跡装置、トランシーバなど、システム全体で使用される5つのロジック・ゲートが含まれている。STは、今後数ヶ月にわたり機能を追加してシリーズを継続的に拡張し、より幅広い製品を提供する予定。

「低軌道衛星向け耐放射線性ICシリーズ」製品の単価は、STの販売代理店を通じて購入した場合、1000個購入時に約70ドル(ロジックIC)から約450ドル(データ・コンバータ)。開発モデルの単価は、10個購入時に約135ドルから約775ドル。詳細については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店まで。

■技術情報
低軌道衛星は、より高く打ち上げられる従来の静止軌道上(GEO : Geostationary Orbit)衛星と比べて、大気からの保護を多く受けるため、曝される放射線レベルが低くなる。また、衛星の寿命も短く設計されている。低軌道衛星で使用される電子部品に求められる性能や品質保証は、従来の衛星とほぼ同じだが、耐放射線性要件は緩和される。従来、航空宇宙アプリケーション向けの部品は、厳格なQML / ESCC認定および製造プロセスに対応するために、密閉型セラミック・パッケージで提供されており、一般的に少量生産の部品には比較的高いコストがかかっていた。
STの新しい低軌道衛星向け耐放射線性プラスチック・パッケージは、最適化された認定および製造フローと規模の経済性により、ニュースペース・アプリケーションにおいてすぐに使用することができる。ユーザによる追加の認定取得やアップスクリーニングが不要なため、コストとリスクの大幅な削減に貢献する。

STの低軌道衛星向け耐放射線性ICシリーズは、最大50 krad(Si)の吸収線量(TID)、高い総非イオン化線量耐性、最大62.5MeV.cm²/mgのシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)耐性を備えており、低軌道衛星におけるミッション・プロファイルに対応する。AEC-Q100に準拠したSTの車載用ICと同じ製造ラインで組み立てられるため、統計に基づくプロセス管理により、一貫した高品質で量産を実現している。部品のアウトガスは、特性評価により、ニュースペースで一般に許容される限度内に抑えられている。外部終端は、宇宙空間における錫ウィスカの形成を防ぐように仕上げられており、有鉛(Pb)および純錫の両実装プロセスとREACH規則に準拠している。

今回発表された9製品は次のとおり。調整可能な2A低ドロップアウト電圧レギュレータ「LEO3910」、1Msp / 12bit / 8チャネルA/Dコンバータ「LEOAD128」、400Mbps LVDSドライバ / レシーバ「LEOLVDSRD」、クワッド2入力NANDゲート「LEOAC00」、シュミット・トリガ入力付きHEXインバータ「LEOAC14」、トライステート出力のオクタル・バス・バッファ「LEOAC244」、デュアルDタイプのフリップ・フロップ「LEOAC74」、クワッド2入力ANDゲート「LEOAC08」、クワッド2入力ORゲート「LEOAC32」。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001220.000001337.html

SSC、「サーモパイル型サーモカメラモジュール SSVシリーズ」を発売

エスエスシー(株)は、温度計測機器をもっと楽に組み込むためのモジュール「SSVシリーズ」を発売する。

本製品はサーモパイルアレイセンサを使用したモジュールで、温度換算された計測値が出力される。また複数のサーモパイル素子が同時に温度を測定することで複数の温度情報を出力する。標準品の販売だけでなく、利用者の要望に合わせたカスタム品やOEMも相談に応じるとのこと。

<標準品抜粋>
8×8画素タイプ、32×32画素タイプ、80×64画素タイプ
※上記以外の画素タイプと視野角を選択できる。

▶サーモカメラモジュールとは
サーモグラフィに利用可能な温度計測モジュール。
人や物から発生している放射エネルギー(赤外線)の量を測定することで、表面温度を非接触で測定することが出来る。サーモグラフィに利用される多くの製品は高額な“ボロメータ”を使用している。

▶今までの製品との違い
SSVシリーズ“ボロメータ”ではなく“サーモパイル”を使用している。
サーモパイルはボロメータより製造コストが少なく量産製品向けに適しており、連続した温度監視を特に得意としている。これまでは画素数がボロメータに劣っておりサーモグラフィとしての利用がされて来なかったが、最近では5,000画素以上のサーモパイルセンサがあり高解像度のサーモグラフィとして利用できるようになっている。

▶用途見込み
(人や物の検知)
サーモカメラで人や物を見ることで、温度情報から位置・数の検知が可能。夜間など目で人や物が確認できない状況でも使用することが出来、防犯を目的とした機器での利用や、施設内の空調・照明の管理といった省エネルギーを目的にした利用方法が可能。
(分電盤、電気設備の監視)
サーモカメラを使用して電気設備を継続監視することで、接続不良や腐食・酸化等による温度上昇を検知し、設備保全の手助けをすることが出来る。漏電による火災などの電気事故を未然に防ぐため、アラーム等の通知システムと組み合わせることが想定される。
(介護・ヘルスケア)
サーモカメラで人の表面温度を確認し健康状態を予測する目的や、体表面の温度情報から骨の歪みを予測する目的とした機器への組み込みが出来る。また、介護の現場で個室やトイレなどのプライバシーに配慮が必要な場面での見守りシステムに組み込むことも出来る。
(食品の温度管理-HACCP)
2021年6月から食品事業者に向けてHACCPに沿った衛生管理が義務付けられた。特に熱処理は重要管理点に指定されており、これまで以上に温度管理の意識を高める必要がある。サーモカメラは非接触で温度計測をおこなうため、衛生的な温度管理をすることが出来る。計測エリアを熱画像で確認でき、熱処理が十分でない部分を直感的に見分けることが出来る。
(道路の温度監視にも)
路面の温度計測を目的とした機器に組み込めば、温度測定を点ではなく面でおこなうことができ、温度の上昇率あるいは凍結の可能性を知ることが出来る。IoT技術との連携で遠隔地からその様子をモニタリングすることも可能。

製品詳細サイト(SSC):https://www.ssc-inc.jp/ssv-series/

GNSS / 地中探査用ツール「Leica Zeno Connect」の提供開始


ライカジオシステムズ(株)は、Windows / Android または iOS デバイスで利用できる GNSS / 地中探査用アプリ Leica Zeno Connect (以下 Zeno Connect)について、2022年3月7日に日本国内での提供を開始した。

■Zeno Connect の特徴
Zeno Connect は Windows / Android または iOS デバイスで利用できる GNSS / 地中探査用アプリである。ネットワーク型RTKの補正情報を受け取る際に必要な情報を設定する事ができ、GNSS 受信機より得た位置情報を他のフィールドアプリへ受け渡す事が可能。

■対応機器
・GNSS アンテナ:Leica FLX100、Leica GS07、Leica GS18T、Leica GS18 I
・地中探査:Leica DS2000 他

■対応OS
・Android 8-12
・iOS/iPadOS 14.3-15.2
・Windows 10

※対応 OS については 2022年3月現在の情報となる。以後新たにリリースされる OS バージョンへのサポートについては遅れる可能性あり。
※現在日本で販売している GNSS アンテナ/地中探査は iOS との接続未対応。

ニュースリリースサイト:(leica-geosystems)
https://leica-geosystems.com/ja-JP/about-us/news-room/news-overview/2022/03/jp_zenoconnect_220311

東大、凸版印刷ほか企業と「装身型生化学ラボシステム 社会連携講座」開設


東京大学、(株)本田技術研究所、凸版印刷(株)、三洋化成工業(株)は、2022年1月1日に「装身型生化学ラボシステム 社会連携講座」を東京大学内に開設し、身体に装着し、汗などの生体試料(※1)から主にストレスや疲労などに関わる生化学情報を身体への負担が少なくかつ連続的にセンシングする「装身型生化学ラボシステム(※2)」の開発および、その実証技術の研究に着手した。

 本講座は、業種の異なる3社と東京大学のバイオエンジニアリング専攻で、ヒトとデバイス・マテリアル、さらに機械をつなぐバイオインターフェース技術、デバイスおよびシステム設計技術を構築し、さらには、開発する装身型生化学ラボシステムを用いた“先進ヘルスケアシステム”の実証技術を構築する。これによって、将来的には、自動車や建機など移動・輸送機械の運転時の安全性や快適性の向上、健康・医療、介護機器などでの活用による人々の一層の健康増進に貢献することを目指す。
 また、本講座は、装身型の生化学ラボシステムを用いた先進ヘルスケアシステムのあり方の議論を、医工学連携教育として実施することで、未来の医療を担う人材育成を行う。

<“先進ヘルスケアシステム”とは>
 年々盛んになりつつある、体温・脈拍・心電などのバイタル情報を用いて体調管理や健康維持に活用するヘルスケアを更に発展させ、安心・安全・快適性を向上させたウエアラブルセンシングデバイスかつ、さらにそれらの情報をIoTやAI技術と複合・高度化し、取り巻く環境や機器と連動させた次世代のヘルスケアシステムのこと。

※1 ヒトから得た汗などの材料サンプル
※2 小型の生化学分析デバイスが集積化された実験室機能を体に装着したシステム

■ 社会連携講座の概要
・講座名称:「装身型生化学ラボシステム」
・設置期間:2022年1月1日から2024年12月31
・代表教員:高井 まどか(東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻教授)
・研究目的:汗など低侵襲で採取可能な分泌検体を継続的に取得・分析する装身型生化学
      ラボシステムを搭載したヘルスケア用モニタリングデバイスの研究・開発

ニュースリリースサイト(TOPPAN):https://www.toppan.co.jp/news/2022/03/newsrelease220309_2.html

エクサウィザーズ、「exaBase ロボティクス」で効率的な技能伝承を実現する基盤を構築

(株)エクサウィザーズは、同社が提供するマルチモーダルなロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」によって、重機操業における作業状況を可視化し、熟練作業の効率的な技能伝承を実現するデータ解析基盤を構築した。
そして、本年2月より、日本製鉄(株)の東日本製鉄所君津地区において同解析基盤の検証を開始した。

□背景
少子高齢化に伴う人手不足や製造現場での技能伝承の課題を背景として、産業基盤のDXによる「遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題となっている。
製鉄現場では、溶けた鉄の成分、品位調整をする際に発生するスラグ※を分離する作業が必要になる。この作業では1,000度を超える高温溶融物を扱うため、作業員は現場に設置したカメラで確認しながら重機を用いて遠隔操作で作業を実施している。高温溶融物の状況が変化する中での作業には、作業員の知識・経験に基づく判断が重要であり、効率的に技能伝承を進める上で実作業の指標化や熟練技能者のスキル・ノウハウを形式知することが難しいといったことが課題となっていた。
※:金属を製錬した時に出る副産物。

□スラグ分離作業におけるデータの可視化を実現、AIが作業者に向けた要点を提示することで作業の効率化・均質性の向上を見込む
上記課題の解決に向け、エクサウィザーズと日本製鉄はスラグ分離作業における重機操業デジタル化プロジェクトを進めている。このたび、同取り組みの一環として「exaBase ロボティクス」を用いて重機操業における熟練作業の技能伝承を実現するデータ解析基盤を構築し、東日本製鉄所君津地区において検証を開始した。これにより、重機操業においてこれまでデジタル化できていなかった様々なデータの可視化を実現するとともに、作業における熟練要素の解析を行うことで、勤続10年以上のオペレーターに現れる操業技術を明確にすることができた。また同時に、新人オペレーターにおいても熟練オペレーターと同様の操業が行えるようにAIが作業者に向けた要点を提示することで補佐するソフトウェアを敷設したため、今後、同作業の効率化および均質性の向上が期待される。

【データ解析概要】
①センサデータ :重機の操業位置、速度等
制御板の操作情報と重機先端のリアルタイムな位置を取得するセンサによって、オペレーターによる操作信号と重機の位置変動を取得し、作業傾向を解析

②動画データ  :スラグ分離作業の状況、溶融物の状態等
操業エリアに取り付けられたカメラから得られた画像データにより、スラグ分離状況を解析

③操業情報   :処理日時、作業者情報等
各操業ごとの担当者、実施日時、対象作業難度を上記データに紐付け、統合的に解析を実施

【exaBase ロボティクス 概要】
「exaBase ロボティクス」は、AIプラットフォーム「exaBase」のロボット向けAIとして、対象物の画像データ、現場機器・ロボット制御データやシミュレータ生成データ等、様々なマルチモーダルデータを活用して工程の自動化・最適化を可能にするロボットAIソリューションである。単純作業の代替や熟練者の動作再現等、様々なシーンで活用することができる。(画像)

【活用例】
1.不定形物の把持
野菜・魚等の形に個体差があり一定ではない食品や反射・透明性のある物体の把持が可能
2.粉体秤量
多品種の粉体の高精度での測りとりを実現
3.熟練者の動作再現
研磨・研削・重機操作等、熟練の作業者の動作の見える化とロボットによる自動化を実現

※exaBaseはエクサウィザーズの登録商標

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000108.000030192.html

MODEセンサークラウド、RICOH EH 環境センサーD201/D202に対応


MODEセンサークラウドは、(株)リコーが提供する「RICOH EH 環境センサーD201/D202」を、MODE標準センサとしてMODEセンサークラウドに対応した。

■ 背景
DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目される中、遠隔地からリアルタイムで現場の状況を把握できるIoT技術が活用されている。場所と用途に応じた様々なセンサが求められる一方で、膨大なデータの扱い方と管理方法にも課題がある。
この度、リコーが提供する「RICOH EH 環境センサーD201/D202」をMODEセンサークラウドへ連携させることで、収集データをクラウドに長期間保管、IoTデータとして様々な活用が可能となるとのこと。

■リコー製品概要
固体型色素増感太陽電池搭載 「RICOH EH 環境センサーD201/D202」(画像)
【対応製品】 RICOH EH 環境センサーD201/D202
【詳細URL】https://industry.ricoh.com/dye-sensitized-solar-cell/sensor
【ポイント】
RICOH EH 環境センサーD201/D202は、温度や湿度などの環境情報を検出するセンサ。室内光で高い発電性能をもち、暗くなりがちな場所でも活用できる。小型サイズで電池交換作業が不要のため、設置場所を選ばず、どこでも簡単に設置が可能。
MODEセンサークラウドに標準対応したことで、「RICOH EH 環境センサーD201/D202」から取得した各種データを、MODEが提供するユーザーインターフェース画面で可視化することが可能となりました。またクラウド上に長期にわたっての保管や、他システムとの連携も容易となるという。

■MODEセンサークラウドの概要
MODEセンサークラウドは、センサのデータに特化したデータ収集サービス。IoTの知識がない方でも簡単に導入でき、リアルタイムでのデータ活用を実現する。
独自技術を搭載し、すでに40種類以上のセンサに対応しているMODEのゲートウェイソフトウェアにより、あらゆるセンサを簡単に接続することができる。
また、直感的に利用できるWebアプリケーションや外部システムとのAPI連携などを用意し、データ活用と開発をサポートしている。
MODEセンサークラウド紹介ページ:https://www.tinkermode.jp/sensor_cloud

ニュースリリースサイト(MODE):https://news.tinkermode.jp/news/202203-ricoh-d201d202

dSPACE、新たなセンサシミュレーションソリューション「AURELION 」

dSPACEは、高分解能のビジュアル表示機能を備えた自動運転機能のテストおよび妥当性確認用の新たなセンサシミュレーションソリューションであるAURELIONを発表した。
このソリューションはローカルまたはクラウド上から操作でき、カメラシミュレーション向けの本物のような画像をリアルタイムに生成したり、リアルタイムのレイトレーシング技術によってレーダーおよびLiDARシミュレーション向けの厳密な環境を構築したりすることが可能。AURELIONを使用することにより、開発者はプロトタイプ車両を実走させるはるか前から、自動運転アルゴリズムを仮想テストドライブでシミュレートし、妥当性を確認することができるという。

AURELIONはSIL(Software-in-the-Loop)テストやHIL(Hardware-in-the-Loop)テストに加え、クラウド上で検証を並列で行う場合など、開発プロセスのあらゆる段階で利用できる。さらに、ニューラルネットワークのトレーニングやテストなど、人工知能ベースの機能やトレーニングデータの開発にも活用できる。

AURELIONには強力な3Dレンダリングエンジン、高精度のdSPACEシミュレーションモデル、歩行者や車両などのリアリスティックな3Dアセットが備えられているため、センサ、周辺環境、天候条件、照明条件(日中、夜間)、マテリアルを正確にシミュレートすることが可能。そのため、開発者は幅広いシナリオをシミュレートしながら、実車によるテストドライブではほとんど発生しないようなコーナーケースをテストすることもできる。

この新たなソリューションでは、センサモデル向けの大規模ライブラリを常に最新の状態で使用しているため、まだ市販されていない新しいセンサをシミュレーションソリューションで再現することができる。これを実現するため、dSPACEでは世界の主要センサメーカーと提携しており、さまざまなカメラ、LiDAR、およびレーダーテクノロジの開発者と継続的に協働している。AURELIONには、サードパーティ製センサモデルを統合することも可能。
また、単一の製品内にdSPACE MotionDeskやSensorSimの機能をまとめて実装しているため、機能や精度がより向上したソリューションをセンサシミュレーション分野で活用できる。さらに、車両シミュレーションモデルであるASM、シミュレーションプラットフォームであるVEOS、パラメータ設定ソフトウェアであるModelDeskなどのその他のdSPACEツールを組み合わせれば、自動運転車両用ソフトウェアスタックのテストおよび妥当性確認に対応したエンドトゥエンドのソリューションを実現することができる。

このソリューションはローカルまたはクラウド上から操作でき、カメラシミュレーション向けの本物のような画像をリアルタイムに生成したり、リアルタイムのレイトレーシング技術によってレーダーおよびLiDARシミュレーション向けの厳密な環境を構築したりすることが可能。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000096375.html

ST、次世代のセンシングを実現するMEMSセンサ発表

STマイクロエレクトロニクスは、高精度・超低消費電力を実現する第3世代MEMS技術を採用したMEMSセンサ4製品を発表した。これらの製品は、コンスーマ向けモバイル機器や、ファクトリ・オートメーション、ヘルスケア機器、および小売物流システムの性能および機能を大幅に向上させるという。

MEMSは、スマートフォンやウェアラブル機器において、直感的なコンテキスト認識機能を実現する堅牢かつ小型のモーション・センサや環境センサの基盤となる技術。STの第3世代MEMSセンサは、センサ性能の向上に加え、従来技術と比べて大幅な出力精度の向上や低消費電力化を実現している。アクティビティ検知や屋内ナビゲーション、産業用センシングなどに最適で、きわめて高い精度を提供する。また、低消費電力のため、バッテリ寿命の延長に貢献する。

STの第3世代MEMSセンサには、STの機械学習コア(MLC)を内蔵した製品や、電荷変動(QVAR)検出チャネルを搭載した製品が含まれている。MLCは、超低消費電力で動作するエッジ・アプリケーションへ機械学習機能の導入を実現する。電荷変動(QVAR)検出チャネルは、スマート・ウォッチやフィットネス・バンドによる接触センシング、または非接触センシング(レーダー)を介して、静電気の電荷変化をモニタリングする。これにより、ユーザ・インタフェース制御を強化して、シームレスな操作を実現することができる。また、湿度 / 結露検出の簡略化も可能。非接触センシング機能は、人体検出やアクティビティ・モニタリング、人数カウントといったアプリケーションに最適とのこと。

STの第3世代MEMSセンサ初の製品である大気圧センサ「LPS22DF」および「LPS28DFW」(防水タイプ)は、1.7µAの最小消費電流と0.5hPaの絶対圧精度を備えている。LPS28DFWは、最大測定範囲を1260hPaまたは4060hPa(水深約30メートルの水圧に相当)から選択できるため、水中でも正確な垂直位置を測定可能。「LPS22DF」および「LPS28DFW」は、モバイル機器やスマート・ウォッチを含むウェアラブル機器の高度計および気圧計の性能向上に貢献する。また、気象観測機器や高精度水深センサといった産業機器にも最適という。

3軸加速度センサ「LIS2DU12」は、アンチエイリアス処理を備えた超低消費電力アーキテクチャとして設計された製品。LIS2DU12に搭載されたアンチエイリアス・フィルタは、きわめて低い消費電流で動作する。
LIS2DU12は、I3Cインタフェースを搭載した初の加速度センサである。100Hzの出力データ・レート(ODR)における消費電力がわずか3.5µAで、きわめて小型のパッケージ(2.0 x 2.0 x 0.74mm)で提供される。ウェアラブル機器や補聴器、完全ワイヤレス・イヤホン(TWS)、ワイヤレス・センサ・ノード、およびシステムの最適化が不可欠なあらゆるアプリケーションに最適とのこと。

6軸モーション・センサ「LSM6DSV16X」は、QVAR静電容量式センシング、MLC、ステート・マシン(FSM)を備え、高速応答と低消費電力を実現する。最小動作電流は12µA。また、LSM6DSV16Xに搭載された新しいステート・マシンには、自己構成機能(ASC)が搭載されている。ASCでは、デバイスがコンテキストを認識し、システムのウェイクアップなしで自動的に再構成を行うため、消費電力の大幅な削減が可能。LSM6DSV16Xは、2022年内に量産が開始される予定だが、非接触センシングを活用したユーザ検知によるノートPCの自動ウェイクアップ・アプリケーションにおいて、すでに評価が進められているという。

大気圧センサ「LPS22DF」は、10ピンのLGAパッケージ(2.0mm x 2.0mm x 0.73mm)で提供され、販売代理店およびSTのeStoreから入手可能。LPS28DFWは、7ピンのLGAパッケージ(2.8mm x 2.8mm x 1.95mm)で提供される。販売代理店から入手可能で、STのeStoreでは無償サンプルも提供されている。両製品ともに現在量産中で、単価は約1.90ドル。3軸加速度センサ「LIS2DU12」および6軸モーション・センサ「LSM6DSV16X」は、2022年内に量産が開始される予定としている。

詳細については、ウェブサイトを参照。
( https://www.st.com/ja/mems-and-sensors.html?icmp=tt25323_gl_pron_feb2022 )

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001218.000001337.html

今後のセンシングは如何に進化するのか
New Concept and Functions in Future Sensing Technologies

東京工業大学名誉教授
一般社団法人次世代センサ協議会会長
小 林 彬

1.はじめに

 世の中、IoT、Society5.0、DX化の時代が叫ばれており、中でもセンサ技術への期待は大きい。重要な視点で有り、これを掛け声だけに終わらせてはなりません。
 しかし、この点、どのような分野で、どのようなセンサ技術/センシング技術が求められ、どのような役割を果たすべきか/果たすのかの意味で、中身のある議論が少ないのは残念であり、実際目に見える実績は挙げられてはいませんが、現時点は、今後新しいセンシング技術の創出を基盤として膨大な市場が拓かれようとしており、我々はその岐路に立っております。以下においては、このような認識の下、今後のセンシング技術は如何に進化するのかを考えてみます。

2.新領域における膨大で潜在的なセンシングニーズへの対応

 従来、センシング技術は、主としてインダストリー(製造業)において活用され、製造プロセスの機械化・自動化に貢献し、所謂オートメーションを推進し一時は日本を世界一に押し上げる原動力ともなったのです。
 一方、IoT、Society5.0ということは、センシング技術の側面から受け取ると、今まであまりセンシング技術が使用されてこなかった分野へも適用するということで、言わばセンシング技術未開拓領域への進出が求められていることを意味しています。
 即ち、今後は、製造業のみならず、それとは異なる非製造業分野(一次産業、サービス業、流通業、アミューズメントなど)にまでセンシング技術(センサ技術、計測技術)の適用範囲を拡げることになります。

図 センシング技術適用領域の拡大
図 センシング技術適用領域の拡大

 この点、具体的ニーズは必ずしも明らかではなく、現状潜在的なものではありますが、思考実験してみれば直ぐ分かりますように極めて膨大なセンシングニーズが存在することが推察できるのであります。
 例えば、最近のコロナ禍で浮彫にされましたたように、換気モニタリング用にCO2センサを活用することが有効とされていまする。換気モニタリングが必要と考えられる所は、各家庭の室内ばかりでなく、一般事務所、病院、乗用車や電車の車内、学校教室内、遊興施設内、等であり、その市場は膨大です。
 また、電力消費のモニタリングについても、カーボンニュートラルの観点から、そのモニタリングの重要性が指摘されており、工場の大規模施設から、家庭内の小規模利用に至るまで様々なフェーズが存在します。家庭内においては、電力の小規模利用とは言いながら、個数の点で圧倒的であり、また、家計管理との関連からかなりの関心が持たれているのも事実です。

3.適用領域の拡大はセンシング技術にとって何を意味するのか

 前述のように、今後センシング技術適用領域が拡大することは明らかですが、このことはセンシング技術にとって何を意味するのでしょうか。
 製造業としてプロセス産業を考え、非製造業として社会インフラにおける道路橋梁管理業を例にして、適用領域が変わることによりセンシング技術として何が変わるのか考えて見ます。
 センシング技術上管理すべき測定項目は、前者では:温度、圧力、流量、レベル、等であり、後者では:振動、撓み、劣化・損傷、固有周波数、等です。
 また、各測定項目のモニタリングを基盤として考慮すべきマネジメント項目は、前者では:エネルギー効率、生産速度、歩留まり、等であり、後者では:橋梁健全度、橋梁の残存寿命、等であります。
 さらに、価値観、思考パターン、文化、習慣、等に相違が有り、行政・一般人との繋がりの濃さ、等についてもかなりの温度差が存在しています。
 従って、センシング技術が新領域に展開することに伴い、新しい測定項目が必要となり、且つ新しい評価項目が求められ、それぞれへの適切な対応が要求されています。
 一般に、世の中が変化するということは、新しい機能・性能を持つシステムが要求されることを意味し、他方、新しい機能・性能が実現されているかを検証するため、相応しいインデックスが創出されることになります。この新インデックスに基づきシステムの状態を適切にモニタすることも新たなセンシング系の役割です。「センサを制する者はシステムを制する!」の言葉も存在します。

4.新センシング技術による効用:生産性向上2.0への期待

 センシング技術が新たな領域に広く浸透して行くことになりますが、それによって世の中に齎(もたら)される何か新しい効用が生まれるのでしょうか。
 勿論、生まれる新しいセンシング技術には、対象により様々なレベルのものが考えられ、特に強調することもないものも出てくるには違いありませんが、技術的に重要な効用の一つとして「生産性向上2.0への期待」に触れておきます。
 上述の進展の中で、DX化が伴うことは言うまでもありません。この場合、デジタル情報がアナログ情報と異なる大きな違いの一つは、その情報の検索可能性であり、且つ情報間の紐付けによる関連情報の提供の容易さにあります。
 そのような紐付けのネットワークシステムが整備されることが前提ではありますが、このネットワークの中に、センシング技術により収集される様々なデジタル情報を積極的に組込むことこそ真の意味でのSociety5.0の実現で、そこでは生産性向上2.0が大いに期待できるのです。
 すなわち、嘗て、生産性向上が叫ばれたオートメーション化の時代には、生産速度の向上、生産効率の向上、生産における省エネルギー化、測定の機器計測化、等が目的とされ、製造設備の改善による生産性向上が図られました。これが、生産性向上1.0と呼びたい体制です。
 これに対し、生産性向上2.0は、製造設備を超えて、広く人間の加わったシステムを対象とし、人間の作業を支援し、人間作業に伴うリードタイム短縮とその品質向上を目指すものです。
 行政における事務作業も含め、人間の作業は、必要な情報(データ)を収集し、状況(状態、要望、問題点)を判断し、それに対応する意思決定(結果判定、行政対策)を行うことの連鎖と考えられます。この連鎖において、情報収集を迅速に実行し、状況判断に必要な判断基準や適正な統計データをタイムリー且つ分かり易く表示することについて、前述の紐付けネットワークシステムを効果的に活用すれば、人間作業に伴うリードタイムを短縮でき見落としの少ない意思決定が実現出来ると期待しています。



【著者紹介】
小林 彬 (こばやし あきら)
東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 教授
東京工業大学 名誉教授
次世代センサ協議会 会長

■略歴
昭和44年03月 東工大理工学研究科博士課程修了(制御工学専攻)、工学博士
昭和44年04月 東工大工学部 助手 (1969.04)
昭和50年08月 東工大工学部 助教授 (1975.08)
昭和62年12月 東工大工学部 制御工学科 教授 (1987.12)
平成5年4月  東工大工学部 制御システム工学科 教授 (1993.4.)
平成6年4月  東工大総合情報処理センター教育・研究専門委員会委員
平成12年4月 東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻
平成13年4月~平成15年3月
東京工業大学 保険管理センター所長
平成17年03月 東京工業大学 大学院理工学研究科 定年退職 東京工業大学名誉教授
平成17年04月 大学評価学位授与機構客員教授
平成17年04月 帝京平成大学現代ライフ学部教授
平成22年04月 帝京平成大学現代健康メディカル学部教授
平成24年03月 帝京平成大学定年退職

■賞罰
昭和48年08月 計測自動制御学会学術論文賞受賞
昭和55年08月 計測自動制御学会学術論文賞受賞
昭和61年07月 計測自動制御学会学術論文賞受賞
平成5年5月 日本ファジィ学会;著述賞。「あいまいとファジィ」
電気学会編、オーム社発行(1991)
平成4年10月 (社)日本産業用ロボット工業会;工業会活動功労者賞
平成8年07月 計測自動制御学会フェロー受称
平成17年08月 計測自動制御学会学術論文賞受賞
平成15年10月 東京都科学技術振興功労者賞
平成23年10月 経済産業省産業技術環境局長