(株)ジェイテクトは、2017年4月に新規事業推進部を組織し、既存事業とは異なる新たな領域の開拓を行っている。少子高齢化・環境・エネルギー問題といった将来の社会課題に対するニーズと当社の既存事業で培った技術やノウハウといったシーズを掛け合わせ、新規事業の立ち上げを推進。これまでにパワーアシストスーツJ-PAS、製造業マッチングサイトFACTORY AGENT、介護歩行器J-Walkerテクテックなどについて発表してきた。
此度は、複数の既存事業の技術とグローバルに展開する海外拠点網を掛け合わせ実現した、水管理ソリューションに関する発表となる。
世界各国では地下水の枯渇エリアが広がり、貴重な天然資源である地下水の確保が困難になっている。一方でジェイテクトでは前身企業の豊田工機が1986年より河川やダムの水位管理に貢献する水位計センサを開発・販売しており、IoE技術と制御技術を既存事業で展開している。これらの技術を掛け合わせることで、世界中の水危機の解決に貢献できる、水管理ソリューションが実現できると考え新規事業として展開を開始したとのこと。(画像:システム構成)
◆事業概要について
事業名称 J-WeLL(ジェイウェル)
背景
南アジア、西アジア、北アフリカを中心に世界各国で地下水の枯渇エリアが拡大
これらの地域では井戸の使用に対して管理するノウハウがなく、井戸寿命が数年と非常に短く継続的に使用できる水資源不足に直面
システム構成
水位計により井戸への流入量を検知、流入量に応じて揚水可能な水量を算出し、揚水するポンプを制御
日々の流入量・揚水量は、IoTシステム通じて見える化し、井戸の使用状態を検知
これらにより井戸水の使い過ぎを抑制し井戸の長寿命化を実現
展開地域・用途
インド国内の製造業の工業用水や生活用水
展開開始時期
2019年7月よりインド Haryana州 Banipur村 飲料水用給水システムに採用
販路
システムはジェイテクトで構築
インド国内での販売は工作機械販売拠点 TOYODA MICROMATIC INDIA(TMI)にて実施
◆今後の展望
インドでの事業展開をまずは推進。将来的には地下水の枯渇など水危機を抱える世界各国に事業展開。
SDGs(持続可能な開発目標)でも掲げられています目標6-4 「2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。」にも貢献できるプロジェクトとして事業推進をしていくとしている。
ニュースリリースサイト:https://www.jtekt.co.jp/news/191119_3.html