昭和シェル石油(株)(以下:昭和シェル)は、IoTサービスやソフトウェア開発を幅広く展開する(株)ウフル(以下:ウフル)と、IoTセンサー普及の障害となる電源問題を解決する技術実用化の第一歩として、ソーラーフロンティア(株)(以下、ソーラーフロンティア)のCIS薄膜太陽電池※1 (以下、CIS太陽電池)を搭載した子ども向け防犯ブザー「ソラモリ」の共同研究開発を行っている。
人やモノがつながるIoTセンサーはコンシューマーや産業などあらゆる分野において需要が急増すると見込まれている一方、その利用普及には、メンテナンスフリーで長時間稼働する電源技術の実用化が重要課題となっている。昭和シェルは、ウフルとの「ソラモリ」の共同研究開発にあたり、ソーラーフロンティアのCIS太陽電池技術を基に、センサー用電源となる小型太陽電池を開発する。ウフルは携帯電話の通信ネットワーク(セルラー網)を使い、広いカバレッジを実現しながらも、低消費電力な通信技術(LTE Cat.M1※2)を活用するなど、随所に低消費電力で動作する仕組みを用いており、太陽電池の特性を最大限活かすことができる。本製品の実証実験は2019年中に行う予定であり、更なるIoT事業の創出についても検討を進めていくという。
◇ソラモリについて
・製品名:ソラモリ(Solarmori)
・製品名の由来:Solarmoriというネーミングには、Solar(ソーラー:太陽光)によるmimamori(みまもり)という、本製品が提供する価値の願いが込められている。
・公式ウェブサイト:https://solarmori.com
・製品特徴
1.居場所通知:ブザーボタンが押されると、ブザーを発報すると同時に、GPSによる位置情報を親のスマートフォンに伝えます。
2.スタンプ機能:親のスマートフォンとスタンプでコミュニケーションすることができます。
3.太陽電池:CIS太陽電池を搭載。電池切れの不安を軽減します。
昭和シェルは、将来からのバックキャストによる潜在ニーズを基に事業化を目指し、2017年に「D&I(ダイバーシティ&インクルーシブネス)新規事業領域探索プロジェクト」を立ち上げた。今回ウフルと共同研究開発する「ソラモリ」をIoTセンサー電源の確保実現の第一歩としつつ、子どもの登下校中の安全確保、保護者の不安解消といった社会的ニーズに対応するとのこと。
※1:CIS太陽電池は、2018年にCIS系薄膜太陽電池の世界最高記録となるエネルギー変換効率23.35%を達成し、高い技術力と徹底した品質管理のもと、国内自社工場にて生産した累積5GW以上の出荷実績。
※2:セルラー LPWA(Low Power, Wide Area)というIoT向けの無線通信技術の一つ。少ない消費電力で頻度の高い通信を行えることが特徴で、通信事業者が提供するIoTサービスに用いることを想定し、実用化に向けた実験が進められている。