FLIR、都市間交通流と道路の安全性を強化するTrafiBot Dual AIカメラ

 フリアーシステムズは、都市間交通インテリジェンス用マルチスペクトルカメラTrafiBot Dual AIを発表した。この閉回路トラフィックカメラは、ドライバーが目に見えない物体にぶつかったり、急速に拡大する車両火災に巻き込まれたりする危険性が最も高いトンネルや橋上での安全性を向上させるように設計されているという。

 TrafiBot Dual AIなら、帯域幅の制約により画像解像度を低下させることなく、またデータを損失することも無い。高速のサーマルコア、最も信頼性の高い道路トンネル用14ビット早期熱異常検知、最高の検知性能を実現する堅牢な人工知能(AI)、最も信頼性の高い都市間道路における交通データ収集を提供する。

 TrafiBot Dual AIでは、世界中で収集された数百万枚のフリアーシステムズの画像から開発され、学習を重ねたフリアー独自の3つのAIモデルを同時に使用する。1つのモデルは逆走検知や落下物を識別・分類し、残りの2つは、サーマル画像と視覚ストリーム上で車両を分類し、これには電動スクーターのような特殊な車体や、歩行者や自転車利用者のような脆弱な道路利用者も含む。

 フリアーシステムズが特許を取得した3Dワールドトラッカーと組み合わせることで、TrafiBot Dual AIはシーン内の事故を検知する能力が向上した。車両がカメラの視界に入ると、たとえ追跡対象が他の車両や物体、道路インフラに遮られたり、不明瞭になったりしても、カメラは車両の速度や軌道を予測する。また、TrafiBot Dual AIは、突然の車線変更や逆走ドライバーを検知可能である。交通管理者に重要なデータを提供することで、誤警報を減らし、安全性に関係する事故を適切に管理することができる。

 TrafiBot Dual AIは、早期熱異常検知を次のレベルに引き上げる。カメラ側で14ビットの熱情報を直接分析することで、カメラアルゴリズムに64倍以上の情報を与え、比類のない熱異常検知、速度、信頼性を保証すると同時に、誤警報の可能性を劇的に低減し、道路トンネルの早期熱異常検知の新たな基準となっている。

●全天候型ハウジングと柔軟な設置
 TrafiBot Dual AIでは、革新的な3軸回転デザインにより、トンネルの傾斜壁や狭いスペースなど、特殊な道路インフラへの取り付けの柔軟性が高められている。パン、チルト、横回転する3軸カメラスイベルがあるため、設置に時間のかかるカスタムアダプタープレートは不要。また、内部の傾斜センサが自動的に校正するため、設置にかかる時間とそれに伴う交通の混乱をさらに軽減することができる。

 TrafiBot Dual AIは、IP66/67等級の、非腐食性、海洋グレードのステンレススチール製ケースに収容している。このケースは、塩分の高い空気や湿気、あらゆる天候条件だけでなく、道路やトンネル内の清掃作業による高圧ブラストにも耐えるように設計されている。4Kカメラの光学ズームは6~22mm、検出範囲は最大300mで、従来のフリアーシステムズのインテリジェントトラフィックカメラと比較して、カメラ1台あたりの検出範囲が広くなっている。

●ソフトウェアとの統合
 このカメラは、TrafiBot Dual AIからのデータを収集・整理できる新発売のソフトウェア「FLIR Cascade」と統合できるように設計されている。最先端でインテリジェントな事故フィルタリングシステムにより、関連する事故のみを交通管理者に表示する。事故が検知されると、シーンの短い4K解像度のカラーおよび/またはサーマルビデオクリップにフラグが立てられ、トラフィック管理チームは、それを即座に確認できる。TrafiBot Dual AIはさらに、ビデオ管理システムと統合して、ライブ映像を提供することもできる。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000027932.html