超音波音響センサ&クラウド分析の生産設備等トライアル実証評価サービス

 損害保険ジャパン(株)とSOMPOリスクマネジメント(株)、(株)アニモは、日清紡マイクロデバイス(株)と、2022年2月から生産設備等の回転機器から発生する初期の超音波の異音を検知し、機器故障の早期発見につなげるサービス「音響診断AI化コンサルティング」※1の開発に取り組んできた。

 このたび、日清紡マイクロデバイスが誇る最先端の音響センサと振動センサを活用して超広帯域な音響や振動を自動的に収録し、アニモによるクラウドで分析する仕組みをパッケージ化した「レオセントキット powered by ANIMO Cloud」(以下レオセントキット)の開発に成功した。音(音響)データからその音響特徴量を分析、可視化することで、人の聴覚に依存しない異音検知や設備予兆保全、検査業務の省人化等を実現する。まずは、生産設備等の回転機器から発生する初期の超音波の異音を検知し、機器故障の早期発見につながる仕組みを広く体験してもらうため、SOMPOリスクを窓口としてレオセントキットの「トライアル実証評価サービス」を2024年9月から提供開始する。

※1 音響(超音波)センサーを活用した音響診断AI化支援 https://www.sompo-rc.co.jp/services/view/395

1.背景・目的
 生産設備のIoT化やAI化は以前から注目されているものの、コストや手間がかかるため、導入や利用に踏み切れていない企業も多いのが実情である。そのうえ、熟練技術者の高齢化や減少により、迅速な対策が求められている。レオセントキットは、これまでの振動センサでは捉えられなかった超音波帯域のデータを活用することで、機器の異常をいち早く察知することを可能にする。これにより、生産設備の保全がより効果的になり、社会的な課題の解決にもつながると考えられる。今後、多くの企業がIoT化やAI化を進める第一歩として活用できるよう、トライアル実証評価サービスの提供を開始するとのこと。

2.「レオセントキット powered by ANIMO Cloud」の概要(画像)
 日清紡マイクロデバイスの「アコースティックセンサー(音響センサ)※2」と、A/Dコンバータ※3、PC、モバイルルータなどを、アニモの「ANIMO Cloud ※4」を組み合わせたシステムを使って、これまで検知の難しかった超音波帯域の異常音や騒音環境下における異常音を検知することに成功した。さらに、遠隔サポートをオプションで利用することで、生産設備の無人監視が可能になるという。
 現在、日清紡グループにおいて、レオセントキットのアコースティックセンサーをポリッシュ機に取り付け、作業中のワークや機械異常について音響評価をしている。

※2 アコースティックセンサー
 超音波帯域に対応し、機器本体の音響を収録することも可能となる音響センサ
 https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/ja/products/featured-products/nm2101.html
※3 A/Dコンバータ
 音響などのアナログ信号をデジタル信号に変換(A/D変換)する装置。
※4 ANIMO Cloud
 クラウド環境に音響収録データ等を保存することで、音響特徴量などを分析する。
 https://www.animo.co.jp/cloud/

3.トライアル実証評価サービス(有償)について

名称:トライアル実証評価サービス
内容:超音波帯域までの音響データを収録し、簡易な解析結果やAI化の可能性などで今後検討すべき
   課題等を報告。
相談先:お問合せフォーム https://www.sompo-rc.co.jp/contact/form
    ・大カテゴリ選択⇒「火災・爆発」、中カテゴリ選択⇒「IoT/AI」
    ・お問い合わせ内容に「レオセントキット相談」とご記載のこと。

4.協業の効果
 従来の振動センサでは異常検知が難しかった重要機器の超音波帯域での異常を早期に検知できるようになる。例えば、風力発電設備のナセル※5内での音響センサを使った遠隔監視、広帯域を活用した設備故障の再発防止策や故障予兆サービスの提供など、新しい活用方法が増える。これにより、本サービスの利便性がさらに向上し、分析レポートの精度向上が期待できる。
 ※5 風力発電設備のタワー上部に取り付けられた機械室を指し、増速機や発電機等を収納している。

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000423.000078307.html