海上の通信環境をWi-Fiエリア化し、愛媛県の海面養殖におけるDXを推進

 (株)ミライト・ワンは、令和5年度より参画している愛媛県のデジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に、6月6日、本年度も採択されることが決定した。

 愛媛県宇和島市では、海面養殖業者の後継者不足や従事人口の減少が課題となっており、その解決策の一つとして、スマート給餌機※1の導入が検討されていた。しかし、従来の通信方法であるLTE方式であったことから、通信コストが高額となり、海上での通信環境に優劣があることが導入のネックとなっていた。

 ミライト・ワンは、愛媛県が令和4年度から実施しているデジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に、令和5年度から参画し、海上のWi-Fiエリア化を進めてきた。同社は、令和5年度の時点で海面養殖場をWi-Fiエリア化し、従来の給餌機一基に対して1LTE回線にて運用していた通信環境を、複数の給餌機を1つのWi-Fi基地局(画像)で稼働できる環境を整え、通信コストを低減させる効果があることを確認した。なお、海上Wi-Fi基地局における電源供給については、太陽光パネルを採用している。

 これらの結果を踏まえ、本年度においては、海上でのWi-Fiエリア拡大を目指し、新たにHOP技術※2を用いて、より遠方の海上に設置したスマート給餌機やスマートデバイスとの安定した通信を確保できるか、また通信コストの低減について、検証していく。前年度に引き続き、海上のWi-Fiエリア化を進めることで、通信コストの低減や通信品質を確保し、愛媛県宇和島市における海面養殖産業のDXを推進するとしている。

※1:スマート給餌機とは、センサによって魚の状態を把握し、その状態に応じた給餌を行う。海から離れた遠隔地からでも無線通信を利用してスマートフォンやパソコンによる給餌の調整が可能である。魚の食欲を判定するAIを搭載した機器もある。
※2:HOP技術とは、複数の無線通信基地局がそれぞれ隣接する他の無線通信基地局を経由してデータを伝送することで広範囲で無線通信を利用できる技術である。

プレスリリースサイト:https://www.mirait-one.com/info/001179.html