ボールウェーブ(株)は、このたび工業用高純度ガスや製造環境に残存するごく微量な水分子を高感度に検出する携帯型微量水分計Falcon Trace mini (FT-300WT)の受注を開始した。
[開発の背景]
半導体デバイスの急速な高集積化・微細化に伴い、製造工程で使用される材料ガスの残量水分は1ppm以下の値が要求されている。 しかしこの感度を有する微量水分計は大型で高価な光学式測定器しかなく製造ラインへの導入が難しく、さらにこれまでの微量水分計は応答速度が不十分であり製造ラインの制御に用いることができなかった。
また、リチウムイオン電池製造工程では電極材料をフィルム基材にウェットコーティングしてそれを乾燥し巻取って組み込むという作業が行われる。その工程で水分が残留すると最終製品である電池の性能あるいは寿命がはなはだしく低下するため、これらの工程をスーパードライルームと呼ばれる超乾燥雰囲気中で実施するが、これまでの微量水分計は応答速度が不十分であるためスーパードライルームの制御に用いることができなかった。
[製品の特長]
FalconTrace miniはボールウェーブのコアテクノロジーであるボールSAW(surface acoustic wave=弾性表面波)センサを用いた微量水分計である。ボールSAWセンサは、物理学の常識を超えた球上のSAW の長距離伝搬現象を利用した高速・ 高感度なガスセンサであり、センサ本体が直径 3.3mmの小さな水晶球であるため半導体製造ライン、リチウムイオン電池製造ラインなどに容易に導入することができる。またセンサ本体の応答速度が速くセンサセルの体積も小さいため、水分量の変動にも1秒以内で反応し正しい値をモニタすることができる。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000038635.html