artienceグループのトーヨーカラー(株)は、千葉大学との「キノフタロン黄色色材の結晶構造解析」に関する共同研究成果を日本化学会第104春季年会(2024)で発表する。
本研究成果により、要求される分光スペクトルを発現する顔料の分子構造を高い精度で設計することができ、イメージセンサの高感度化を実現するカラーフィルタの設計が可能になるという。
キノフタロン化合物は、鮮明な黄色を呈するため古くから染料や顔料として利用されており、印刷インキをはじめ液晶ディスプレイ、センサなどさまざまな用途に使われている。しかしながら、その発色の起源となる結晶構造はこれまでほとんど解明されていなかった。
この度トーヨーカラーと千葉大学は、モデル化合物を用いて単結晶構造解析を行うことにより、結晶構造の観点から顔料の発色のメカニズムを明らかにした。
これにより、要求される分光スペクトルを発現する顔料の分子構造を高い精度で設計することが可能になり、印刷インキの色合いや液晶ディスプレイの見え方、イメージセンサの感度をコントロールできる可能性が示された。特に、イメージセンサの感度向上には、カラーフィルタの分光スペクトルの制御は非常に効果的と言えるとのこと。
■日本化学会 第104春季年会(2024)について
会期 2024年3月18日(月)~21日(木)
会場 日本大学理工学部 船橋キャンパス(千葉県船橋市)
主催 公益社団法人 日本化学会
講演番号
◎E1131-1am-04
タイトル:8位にアミノ基を有するキノフタロン化合物の結晶構造(口頭)
◎P2-3am-10
タイトル:8位にエーテル結合を有するキノフタロン化合物の結晶構造(ポスター)
プレスリリースサイト:https://www.artiencegroup.com/ja/news/2024/24030502.html