Laboro.AI、気象庁 気象研究所の研究開発委託先として採択

AI・人工知能ソリューション開発およびAI導入コンサルティング『カスタムAI』を展開する(株)Laboro.AIは、気象庁 気象研究所が実施する「AI技術を活用した気象レーダーによる顕著現象の検出と情報処理の高度化に関する研究開発」の研究開発委託先として採択された。

 竜巻等の突風に代表される局地的・突発的に発生する顕著現象は、そのサイズが小さく、また急速に発達することから発生を捉えることは従来の手法では難しさを伴う。時に甚大な気象災害をもたらすこれら荒天の顕著現象を正確かつ迅速に把握することは、防災側面はもちろん持続可能な社会の構築にも不可欠である。

 今般同社が採択された研究開発は、内閣府が推進する「研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」における「局地的・突発的な荒天対策のためのスタートアップとの連携:AIを用いたリアルタイム防災フィールド構築」の一部である「AI 技術を活用した気象レーダーによる顕著現象の検出と情報処理の高度化に関する研究開発」であり、AI技術を活用した気象レーダーによる顕著現象の検出と情報処理の高度化に関する研究開発に取り組むものである。

◇取組概要(画像参照)
同社では、具体的に以下の3つの研究開発に取り組む。
1.複数の異なる深層学習モデルを活用して竜巻渦を探知する技術の高度化
 気象研究所では、過去の気象レーダーデータから竜巻のパターンを抽出し、深層学習モデルを用いて竜巻を自動検出・追跡するための技術開発を進めている。しかし、複雑かつ特殊な条件下では精度の高い検出が困難であるため、本研究開発では、現在気象研究所で採用されている深層学習モデルに加えて、複数の深層学習モデルを開発・比較評価することを通して、竜巻の探知技術の高度化を目指す。

2.深層学習による気象レーダーデータの品質管理モデルの開発
 竜巻の予測に利用されるレーダーデータには、エイリアシング(折り返し雑音)等が原因となって、実際の風速と情報取得されるセンサー値との間に乖離が生まれる場合があり、その結果、実際の気象状態に反して疑似的に竜巻があるように見えてしまうノイズが発生することがある。そこで本研究開発では、深層学習による品質管理モデルを開発・評価することを通して、竜巻の探知に利用するレーダーデータの高品質化を目指す。

3.荒天に関する口語表現の収集と初期AIモデルの試作
 本研究開発では、竜巻等の顕著現象が発生した際のSNS情報等の将来活用を目指したAIモデルの試作開発に取り組む。本年度は荒天に関連する口語表現を高精度で識別・抽出するAIモデルの開発を行い、荒天に関する情報の収集・充実化を目指す。なお、本研究開発においては同社が開発・公開した、約2,000時間の音声データから構成される音声コーパス『LaboroTVSpeech』を使用して開発に取り組む。

TV録画から自動構築した音声コーパス『 LaboroTVSpeech 』を開発&公開(2020/11/19 Laboro.AI発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000027192.html

 気象庁気象研究所では、今後、本研究開発において、鉄道・道路等の公共交通事業者や電力事業者、およびその情報の配信元となる民間気象事業者等をユーザーと想定し、リアルタイムの荒天情報を活用できるようになることを目指していくという。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000027192.html