カメラと同等の視野角、マルチゾーン対応FlightSense™ToF測距センサ

STマイクロエレクトロニクスは、マルチゾーン対応FlightSense™ ToF(Time-of-Flight)測距センサ「VL53L7CX」を発表した。
同製品は、前世代よりも33%拡大した90°の視野角を特徴としている。ホーム・オートメーションや、生活家電、コンピュータ、ロボット、さらに店舗や工場で使用されるスマート機器などにおいて、リアルな状況認識機能を提供するという。

今回発表された「VL53L7CX」をはじめとするToF測距センサは、状況認識用に使われることもあるカメラ・センサとは異なり、画像を取得しないため、ユーザのプライバシーを完全に保護することができる。VL53L7CXは、90°(直角)というきわめて広い視野角を備えており、周辺の検出に優れ、カメラとほぼ同等の視野角が得られる。これにより、人物検知機能やシステム起動(ディスプレイ起動、オーブンやコーヒー・マシンといった生活家電の電源オンなど)の性能が向上する。

STのマルチゾーン対応FlightSense ToF測距センサは、3Dシーン・マッピングや、マルチゾーンにおける複数対象物の同時測距など、強力な機能を備えている。マルチゾーン機能とモーション検知は、人物検出および追跡、背後からののぞき見警告、乗員検知などの占有検知、倉庫 / 駐車場管理などのアプリケーションに最適。

また、ごみ箱の充填状態をトラッキングするスマート廃棄物管理といったアプリケーションや、ロボットの各種機能(フロア・センシング、段差の予知、障害物回避、小型物体の検出)の性能向上にも貢献する。プロジェクタの台形補正や、STGesture™ソフトウェア・パックを利用したジェスチャ認識における手の追跡範囲拡大なども可能である。

VL53L7CXは現在量産中で、小型のLGA16光デバイス・パッケージ(6.4 x 3.0 x 1.6mm)で提供される。試作用製品の単価は約3.60ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001322.000001337.html