TOPPAN、ボトル内の液体を検知するNFCタグラベル開発

 凸版印刷(株)は、開封検知機能を持つセキュアセンシングNFCタグを2017年1月から展開し、高級ワインなどに採用されている。  この度、セキュアセンシングNFCタグの新ラインナップとして、静電容量(※1)式センサ機能を搭載しボトルなどの容器内の液体の残量を非接触で検知できるNFCタグラベルを開発。2023年8月より、化粧品業界、医療・医薬品業界、酒類業界などに向けて全世界で提供を開始する。

 このNFCタグラベルは、凸版印刷がこれまで培ってきた独自のアンテナ設計技術を活かし、NFCアンテナと液体検知回路を組み合わせたもの。一対の電極回路をラベル内に形成し、容器の表面に貼付したNFCタグラベルをスマートフォンで読み取ることで、容器内の静電容量の大きさから液体の有無や残量を検知することができる。
 本製品の活用により、ユーザーは中身の見えない容器の残量確認が簡単にできる。また、導入企業は、消費者に対して使用状況に応じたコンテンツ提供や追加購入の誘導などのカスタマーエンゲージメントサービスを提供することも可能になる。

▮本製品の特長
・専用装置が不要で、スマートフォンを用いた手軽な液体検知
 通常、静電容量の仕組みを用いて液体検知をする場合は静電容量を測定する専用装置が必要である。本製品は静電容量信号入力を有したNXP®Semiconductors製の革新的なNFC用ICチップであるNTAG® 22x DNA StatusDetectを採用。ここに、凸版印刷が持つ独自のアンテナ設計技術を活かして、NFCタグラベルにNFCアンテナと容器内の液体を検知可能な回路を組み合わせることで、スマートフォンを用いた手軽な液体検知を実現した。また、スマートフォンからの電磁誘導により自己発電し電流が流れるため、電源は不要で読取りすることが可能。
※正しく液体を検知する為には使用する容器の材質、厚み、液体の種類ごとに事前の評価が必要。また、容器の材質が金属の場合は、検知をすることができない。 

・専用アプリがなくても液体検知が可能
 本製品は、NFC対応スマートフォンをかざすだけで、ICチップ内部のNDEF(NFC Data Exchange Format(※2))データを専用のアプリ不要で読み込むことができる。具体的には、NFCタグにスマートフォンをかざした際に測定された液体検知データを含むURLを生成することができ、Webブラウザ上で情報を確認することが可能である。

・真贋判定や商品情報の提供も可能
 NFCタグを読み取ると、ID情報を読み取るだけでなく、演算による認証情報も取得する。認証情報は読み取りプロセスごとに異なり、クラウド上でその演算結果を判定するため、高いセキュリティ性を保有している。また、同じNFCタグを何度読み取っても、応答するURLが変化することでURLのコピーや拡散などは無効となるため、商品の真贋判定にも活用が可能である。さらに、表示されたページにキャンペーン情報などのコンテンツを掲載することもできるという。

▮価格
 1枚60円~/100万枚製造時
 ※用途に応じたカスタマイズを行う場合は別途見積り。

▮用語解説
※1 静電容量
 離れて配置された2つの導電体からなる電極間において、どの程度の電荷が蓄えられるかを表す量である。英語ではキャパシタンス(capacitance)と呼ぶ。
※2 NDEF(NFC Data Exchange Format)
 NFCの普及を推進するための業界標準団体NFC Forumが規定する、NFCデバイス同士が情報交換するための共通データフォーマット。

ニュースリリースサイト(toppan):https://www.toppan.co.jp/news/2023/07/newsrelease230705_1.html