診断制御および保護機能を備えたガルバニック絶縁ハイサイド・スイッチ

 STマイクロエレクトロニクスは、ガルバニック絶縁された堅牢性、260mΩ未満のオン抵抗による優れた電力効率、信頼性と障害復旧を備えた8チャネルのハイサイド・スイッチを発表した。

 「ISO808」、「ISO808A」、「ISO808-1」、「ISO808A-1」は、容量性 / 抵抗性 / 誘導性のあらゆる産業用負荷(片側接地)を駆動する8チャネルのハイサイド・スイッチ。プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、産業用PC、コンピュータ数値制御(CNC)装置に最適で、特に、ノイズの影響を受けやすいスマート・ファクトリ電子機器の保護を絶縁によって強化する必要があるケースに適している。

 ISO808およびISO808Aの電流制限は0.7Aで、ISO808-1およびISO808A-1の電流制限は1Aである。ISO808とISO808-1は、チャネルごとに個別の入力ピンを備えており、直接制御または同期制御によってすべての出力を同時に駆動できる。ISO808AとISO808A-1は、シリアルSPI入力およびオープン・ドレインのパワー・グッド(Pgood)インジケータを特長としており、システム制御を実現する。また、すべてのスイッチが専用の故障診断ピンを備えている。

 過負荷保護機能がチャネルごとに独立して動作するため、過負荷状態のチャネルが通常動作を継続することは無い。過負荷になったチャネルは直ちにオフになり、自動的に再起動され、最小限のホスト制御の介入で迅速に復旧する。また、チャネルとケース温度をモニタすることで故障状態のままのチャネルを検出し、再度停止させる。グランド接地の切断を検出する機能や、逆極性保護、短絡保護、ケース加熱保護も備えており、制御側(VDD)と信号側(VCC)の両方の電源レールに、低電圧シャットダウン機能を備えていまる。絶縁を超える通信にRFを使用することで、ノイズ耐性を最大化している。データ・エラーは内部ロジックにより報告され、制御側の供給電圧が不足した場合には、ウォッチドッグによって出力側の安全性を確保する。

 これらの製品の性能および機能は、静電放電(ESD)や、過渡電圧 / 電流、電源周波数の磁場耐性に関するIEC61000規格などの産業機器向け国際規格に準拠している。また、UL1577およびUL508絶縁仕様とVDE 0844-11の安全制限にも準拠している。

 STのISO808ファミリは、一般的な従来のスイッチとのピン互換性を備えるとともに、低オン抵抗およびパワー・グッド・ピン(SPI入力オプションの派生品)を備えている。

 ISO808ファミリには幅広い開発エコシステムが提供されており、STM32 Nucleoボード向けの4種類のX-NUCLEO産業用デジタル出力拡張ボード(X-NUCLEO-OUT11A1、X-NUCLEO-OUT12A1、X-NUCLEO-OUT13A1、X-NUCLEO-OUT14A1)を使用することで、迅速な評価が可能。また、グラフィカル・アプリケーション「STSW-IFAPGUI」により、セットアップとPCを使った制御が実現する。

ISO808ファミリは現在量産中で、PowerSO36パッケージで提供される。1000個購入時の単価は約5.56ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001315.000001337.html