(株)アジラは、2023年6月1日(木)に、行動認識AI〔画像〕を活用した骨粗しょう症の早期発見を支援する共同研究を、佐久医療センター小川貴久医師と共に開始した。アジラの行動認識AIの技術を、医療へ転用するのは初めての試みとなる。本研究により、骨粗しょう症研究の早期発見・早期治療の実現を目指すとのこと。
■共同研究の背景
アジラはこれまで、行動認識AIを中心とした様々な映像解析技術開発に取り組んできた。当技術のユースケースとしては、大型商業施設やキャンパスにおける防犯活用や快適な空間価値の向上、さらには顧客行動の分析に基づいたマーケティング活用など様々な用途が期待されている。
医療業界における当技術の可能性を高めるべく、骨粗しょう症に関して高い知見を持つ佐久医療センター整形外科の小川医師(整形外科専門医・公衆衛生修士・医学博士)と共同研究契約を締結した。同社がもつ行動認識技術と小川医師の持つ骨粗しょう症に関する知見を融合させ、骨粗しょう症の早期発見に関する研究の更なる推進を目指す。
■共同研究の概要
研究テーマ:行動認識AIを用いた骨粗しょう症の初期症状検知システムの基礎検討
研究内容:画像から人物の姿勢や歩容を医学的知見をもとに分析し、初期症状を判定
担当医師:小川貴久医師
■骨粗しょう症(こつそしょうしょう)に関する研究とは
骨粗しょう症は骨の代謝バランスが崩れ、骨を作る働きである骨形成よりも骨を溶かす働きである骨破壊が上回る状態が続き、その結果として骨がもろくなった状態のことを指す。
超高齢社会である日本では、高齢者に多い病気が増え続けており、骨粗しょう症もその一つである。日本における骨粗しょう症の患者数は約1300万人(※1)と推定される。骨粗しょう症は転倒や骨折を引き起こす可能性が高く、高齢者の寝た切りや要介護に繋がるため、骨粗しょう症の予防は高齢化が進む現代社会にとって重要な課題となっている。
この度アジラは小川医師と、人の動きから骨密度を推定できるようになれば、骨粗しょう症の早期発見・治療に繋がると考え、行動認識AI技術を活用した共同研究を実施する運びとなった。本研究により骨粗しょう症の早期発見により患者の治療率を高めることで、寝たきり状態をできるだけ防ぎ、高齢化が進む日本社会の課題解決を目指す。
※1:出典:日本骨粗鬆学会 日本骨代謝学会 骨粗しょう症財団発刊「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年度版」http://www.josteo.com/ja/guideline/doc/15_1.pdf
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000043312.html