オンキヨー(株)は、特許出願した発明「聴診器及び聴診システム」が、2023年2月2日に公開されたと発表した。
同社は、オンライン診療の需要に備え、家庭でも簡単に使用できる聴診器を目指し、聴診器の開発を開始した。聴診器には、アナログ聴診器とデジタル聴診器があるが、アナログ聴診器は、医師が対面で患者の心音等の聴診音を聴くためのものであり、オンライン診療には適していない。そのため、同社は、聴診音の録音が可能であり、録音した聴診音を遠隔の医師に送信すれば、遠隔の医師でも聴診音を確認すること可能である、オンライン診療に適したデジタル聴診器の開発を進めている。
公開された当社発明「聴診器及び聴診システム」(出願番号:特願2021-120549、公開番号:特開2023-016317)は、複数のセンサを採用し、複数のセンサの配置を工夫することで、安定した聴診音の採取を可能とする発明である。この発明は、同時に複数の音を取得できるので、各部位のタイミング・心音の血流の確認など、これまでの聴診器を超えた活用方法を提案している。
同社は、Onkyo ブランドの音響機器の開発において長年培ってきた音に関する技術・ノウハウをデジタル聴診器の開発にも展開している。例えば、アナログ回路技術、高周波技術、及びノイズ抑制技術は、デジタル聴診器における、超高感度低ノイズ回路に活かされている。スピーカー等で使われるアコースティック技術、振動解析技術、及び音響解析技術は、デジタル聴診器の筐体設計に活かされている。ソフトウェア処理技術、イコライザ技術、及び信号処理技術は、デジタル聴診器の測定対象物(例えば、心臓、腸、肺等)に応じた最適なフィルタ処理を行う技術に活かされている。
デジタル聴診器の開発には、専門的な知見が必須であるため、同社は、産学連携により、大学と共同で開発を行うことで、専門家の意見を取り入れたよりよいデジタル聴診器の開発を目指している。
現在、同社では、デジタル聴診器で聴診音を取得し、取得した聴診音データをクラウドに蓄積し、蓄積した聴診音データをAI を活用して解析するシステムを開発中。このシステムにより、より的確な診療を実現することが可能となるとしている。
ニュースリリースサイト(onkyo):https://onkyo.net/2023/02/17/stethoscope/