セーフティ・システム向けに高速起動のインテリジェント・ハイサイド・スイッチ

STマイクロエレクトロニクスは、高速起動のインテリジェント・ハイサイド・スイッチ「IPS1025HF」を発表した。同製品は、電源オン時の遅延時間を最小限に抑える必要があるセーフティ・システムに最適とのこと。
IPS1025HFは、電源のオン / オフを考慮してもターンオン / ターンオフ信号に60µs未満で応答できるため、特定の安全度水準レベル(SIL)に対応するセーフティ・システムを実現できる。また、小型であるとともに、きわめて広範な入力電圧範囲(8.65V~60V)と最大65V耐圧の入力ピンを備え、産業機器の過酷な動作環境に対応することができる。プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)や、自動販売機、ファクトリ・オートメーションのI/Oペリフェラル、コンピュータ数値制御(CNC)装置などの電源制御に最適である。

STのインテリジェント・パワー・スイッチ・ファミリにおけるその他のシングルチャネル・スイッチおよびデュアルチャネル・スイッチと同様に、IPS1025HFはプログラム可能な2つの電流制限設定値を備え、起動時により高い電流制限値を設定することができる。これにより、白熱電球、モータ、高い初期ピーク電流が必要な容量性負荷などの駆動において、優れた柔軟性を実現する。

出力段には、オン抵抗が12.5mΩ(Typ. @Ta)のNチャネル・パワーMOSFETが使用されているため、高効率化と熱損失の低減に貢献する。このパワーMOSFETは、内部で最小出力電流が2.5Aに制限されているとともに、最大14Jのシングル・パルス・アバランシェ耐量を備えているため、誘導性負荷の駆動における信頼性向上に貢献する。また、アクティブ・クランプ回路を内蔵しているため、高速消磁が可能。

IPS1025HFは、減電圧ロックアウト(UVLO)機能や、過電圧 / 過負荷 / 短絡 / グランドおよび電源との断線に対する保護機能を備えている。また、個別のエラー信号により、過負荷および接合部の過熱をチャネルごとに通知する診断機能も備えている。パッケージの過熱保護向けに、追加の温度センサも1つ搭載されている。同製品は、ESD(静電放電)に関するIEC 61000-4-2 ESD、高速過渡に関するIEC 61000-4-4、およびサージ耐性に関するIEC 61000-4-5仕様に準拠している。

また、STM32 Nucleoボード用の機能拡張ボード「X-NUCLEO-OUT15A1」も提供されている。IPS1025HFおよび関連する回路が搭載されているため、STM32 Nucleoボードと接続して迅速に評価を行うことができる。さらに、デモ用ファームウェア「STSW-OUT15F4」、およびファクトリ・オートメーション・システム設計用グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)「STSW-IFAPGUI」を使用することで、デスクトップ上にファクトリ・オートメーション・システム全体を構築可能。

IPS1025HFは現在量産中で、PowerSSO-24パッケージおよびQFN48Lパッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約3.51ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001259.000001337.html