日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、(株)ニコンと事業連携し、センサーカメラで撮影した画像から動物を自動検出するアプリを共同開発した。
本アプリの開発は、NACS-Jが取り組む野生動物のモニタリング調査において、数万枚におよぶセンサカメラの画像データから、動物が写っている画像と写っていない画像を目視で判別するのにかかっていた膨大な時間の短縮を目指したもの。2021年4月から行った実証実験では、「動物が写っていない」とアプリが判別した画像の検出精度は、99.6%を達成した。
これにより、画像データの仕分けに要していた労力と時間の大幅な削減を実現した。この結果を踏まえ、2022年4月からは本アプリを活用する対象地点を増やし、さらなる労力削減と作業効率化に努めるという。
NACS-Jは、全国の活動地で自然環境のモニタリングを実施している。モニタリングでは、センサカメラを使った動物の調査も実施しており、撮影枚数が年間で数万枚に及ぶ活動地もある。
センサカメラは熱を発する動物の動きに反応して撮影するものだが、風による植物の揺れなどに反応して、動物が写っていない写真を撮影することが多くある。これまで撮影した写真に動物が写っているかどうかの判別は、人の目でチェックしており、膨大な労力と時間を要していた。
NACS-Jとニコンは2018年6月から、センサカメラ画像に対する動物検出技術の共同研究をスタートした。ニコンは、NACS-Jが群馬県みなかみ町で取り組む生物多様性の復元と持続的な地域づくりを目指すプロジェクト「赤谷プロジェクト」の活動を2006年から継続的に支援している。ニコンが同社らしい協力の方法を模索するなかで、NACS-Jから協力を打診したことをきっかけに共同研究をスタート、今回のアプリの開発に至ったとのこと。
ニュースリリースサイト:https://www.nacsj.or.jp/partner/2022/07/31203/