エプソン、加速度センサ『M-A352』搭載の計測震度計が気象庁検定に合格

 セイコーエプソン(株)は、同社製の高性能な3軸加速度センサ『M-A352』を搭載した(株)ナレッジフォーサイト製の計測震度計「ゆれMON HYPER」が、6月上旬に気象庁の計測震度計検定に合格したと発表した。なお、同製品を搭載したクローバテック(株)製の計測震度計「LA-352」についても、2022年1月に同検定に合格しており、今回で2例目となるとのこと。

 エプソンは、2014年に加速度センサを発売して以来、さまざまなアプリケーションに採用され、多くの実績と高い品質により、市場から高い評価を得ている。近年では、頻発する地震や津波などに対する観測監視体制の強化や精度の向上が求められており、その課題の解決手段として、高精度加速度センサを用いた計測震度計の需要が高まっている。

 気象庁では、気象業務法に基づき届出を行う必要のある気象観測施設で利用する気象測器※1については、検定に合格したものを使用することとしている。今回の計測震度計は気象測器には該当しないが、測器利用者が精度を確保する上で検定を必要とする場合は、気象測器と同様に気象庁による検定が行われる。検定においては、測器の種類に応じて材料、部品およびその組み合わせなどが適切であるかを調べる「構造検査」と、個別の精度を調べる「器差検査(性能検査)」の2種類の検査が行われ、高い合格基準を超える必要がある。

 クローバテックとナレッジフォーサイトは、計測震度計に必要な1μG/√Hz以下のノイズ性能(サーボ加速度計※2クラス)と耐久性・生産性に優れた当社製加速度センサ『M-A352』を搭載し、計測震度計を開発、使い勝手の良さや高精度、耐久性を高い次元で両立させ、このたび気象庁の計測震度計検定に合格した。

 エプソンは、「省・小・精の技術」を極めた高精度センシング技術により、地震・環境振動計測をはじめ、大型構造物のヘルスモニタリングや橋梁モニタリングなど幅広い用途での高精度計測を実現、安全・安心な社会の実現に貢献するとしている。

※1:気象測器:温度計・気圧計・湿度計・風速計・日射計・雨量計・雪量計
※2:サーボ加速度計:地震観測や土木構造物の微動計測に広く使用されている高精度な加速度センサ原理方式

ニュースリリースサイト(EPSON):https://www.epson.jp/osirase/2022/220616.htm