STマイクロエレクトロニクスは、プログラム可能なシングルチャネル・ハイサイド・スイッチ「IPS1025H」および「IPS1025H-32」を発表した。これらの製品は、減電圧、過電圧、過負荷、過熱に対する保護機能を備え、高いスタートアップ電流を消費する容量性 / 抵抗性 / 誘導性負荷をスマートに駆動するという。
IPS1025HとIPS1025H-32は、内部でプログラムされた電流制限値が異なり、それぞれIPS1025Hが2.5A、IPS1025H-32が5.7Aである。両製品ともに、メインの電流制限に加え、ユーザがプログラムできる二次制限を備えているため、初期スタートアップ電流が高い容量性負荷の駆動に使用可能。制限値および制限時間の設定には、外付けの抵抗とキャパシタを使用する。
IPS1025HおよびIPS1025H-32は、8V~60Vの入力電圧範囲、最大65V耐圧の入力ピン、および小型パッケージを特徴とし、産業機器において優れた性能を実現する。IPS1025Hは、PLCモジュールによって制御される負荷の駆動や、ファクトリ・オートメーション(FA)におけるI/Oペリフェラル、コンピュータ数値制御(CNC)装置に最適。IPS1025H-32は、高い最大電流制限を備えているため、自動販売機などの単方向モータにも最適である。
また、低オン抵抗(25 mΩ以下、Max. TJ = 125℃)のパワーMOSFETを内蔵しているため、高効率化と熱損失の低減に貢献する。シングル・パルス・アバランシェ・エネルギーは、2A時に14Jで、誘導性負荷の駆動における信頼性が向上する。さらに、アクティブ・クランプ回路を内蔵しているため、高速消磁を実現。
両製品ともに、減電圧ロックアウト(UVLO)機能や、過電圧 / 過負荷 / 短絡 / グランドや電源との断線に対する保護など、幅広い保護機能および診断機能が内蔵されているため、高い安全性と信頼性を提供する。また、個別のエラー信号により、過負荷および接合部の過熱をチャネルごとに通知。パッケージの過熱保護向けに、追加のセンサも1つ搭載されている。両製品は、ESD(静電放電)に関するIEC 61000-4-2 ESD、高速過渡に関するIEC 61000-4-4、およびサージ耐性に関するIEC 61000-4-5仕様に準拠している。
STM32 Nucleoボード用のデジタル出力機能拡張ボード「X-NUCLEO-OUT05A1」および「X-NUCLEO-OUT06A1」、STM32Cubeソフトウェア・パッケージ「X-CUBE-OUT5」に付属するソフトウェア・ドライバなども提供されており、迅速な評価に貢献する。また、ファクトリ・オートメーション環境をPC上で構築できるグラフィカル・ユーザ・インタフェース「STSW-IFAPGUI」用のソース・コードも提供されている。
IPS1025HおよびIPS1025H-32は現在量産中で、PowerSSO-24パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約3.51ドル。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001236.000001337.html