STマイクロエレクトロニクスは、ドライバ・モニタリング・システム(DMS)用のグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサ「VB56G4A」を発表した。同製品は、自動車の安全性強化に貢献するという。
DMSは、ドライバの頭の動きなどを継続的にモニタリングし、居眠りやわき見運転の兆候を認識することで、車載システムで警告を発生させて乗客の安全を守る。交通事故の約95%は人為的なミスが原因で、DMSのようなシステムを活用することで、その多くを回避できると推定されている。2020年(1) のヨーロッパにおける交通事故死亡者数は約19,000人にのぼり、近年制定された法律により、2024年にはヨーロッパのすべての新しい自動車プラットフォームに、2026年には既存のプラットフォームにおいてDMSの搭載が必須となる。また、米国では、交通事故死亡者数がヨーロッパの2倍に達していることから(2)、国家運輸安全委員会(NTSB)がすべての半自動運転車にDMSの搭載を推奨している。
VB56G4Aには、先進的な3Dスタック裏面照射(BSI-3D)イメージ・センサ製造におけるSTの内部投資が活用されている。第1世代のDMSで一般的に使用されている従来の表面照射(FSI)センサと比べて高感度かつ小型で、優れた信頼性を実現している。
STは現在、主要顧客向けにVB56G4Aのサンプルを出荷中。2024年モデルの車両に採用できるよう、2023年初めに量産が開始される予定とのこと。
(1) 欧州運輸安全評議会のプレスリリース(2021年6月16日)
(2) 米国運輸省道路交通安全局のプレスリリース(2022年3月2日)
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001234.000001337.html