STマイクロエレクトロニクスは、スマートフォンなどの機器で先進的な3D距離画像を実現する新しい高解像度ToF(Time-of-Flight)測距センサ・ファミリを発表した。
ポイント
・革新的なFlightSense™ 3D ToF測距センサがスマートフォン、AR / VR機器、コンスーマ向けロボットのイメージング性能を強化
・40nm積層ウェハ・プロセスによる独自のiToF(インダイレクトTime-of-Flight)BSI技術が高性能かつ低消費電力の小型センサを実現
同製品ファミリ初の製品である「VD55H1」は、50万以上のポイントを測距することで3次元表面をマッピングする。センサから5mまでの対象物を検出でき、パターン照明を使用することでさらに測定距離を延長可能である。VD55H1は、室内マッピング、ゲーム、3Dアバターなど、急成長するAR / VR市場におけるユースケースに最適。スマートフォンでは、ボケ効果、マルチカメラの選択、動画のセグメンテーションなど、カメラ機能の性能向上に貢献する。
また、高解像度かつ高精度な3D距離画像により、スマートフォンのロック解除やモバイル決済の他、セキュア・トランザクションや入退室管理を含む幅広いスマート・システムで使用される顔認証のセキュリティ強化に貢献する。ロボット分野においては、あらゆる対象物との距離を高い再現性で3Dマッピングできるため、より強力な新機能を実現する。
VD55H1をはじめとするインダイレクトToF(iToF)測距センサは、反射信号と放射信号の位相シフトを測定することで対象物との距離を算出する。iToFは、放射信号が反射してセンサに戻ってくるまでの時間を測定するダイレクトToF(dToF)測距センサを補完する技術。STは、先進技術の幅広いポートフォリオを有しているため、高解像度のiToF / dToF測距センサを設計し、アプリケーション要件に応じた最適なソリューションを提供することができるとのこと。
VD55H1は、独自のピクセル・アーキテクチャと、STの40nm積層ウェハ技術を使用した製造プロセスにより、低消費電力、低ノイズ、およびダイ面積の最適化を実現。従来のVGAセンサと比較してチップが小型化され、ピクセル数が75%以上増加している。
VD55H1は、現在サンプル出荷中で、2022年下半期に量産が開始される予定。また、リファレンス設計と包括的なソフトウェア・パッケージも提供されているため、センサの評価および製品開発を迅速に行うことができるという。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001217.000001337.html