製造DX支援ソリューション「NAVINECT®」の 周辺機器連携機能でZETA連携開始

 凸版印刷(株)は、幅広い業界/業種向けの製造DX支援ソリューション「NAVINECT®(ナビネクト)」を2019年4月より、クラウド型で手軽に導入可能な「NAVINECT®クラウド」を2020年5月より提供している。
此度、「NAVINECT®」の周辺機器連携機能を更に拡大、「NAVINECT®クラウド」の「工程管理サービス」(※1)と、「NAVINECT®エッジ」(※2)の「生産監視パッケージ」(※3)に、新たに凸版印刷が普及を推進する次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(ゼタ)(※4)と標準連携できる機能を搭載し、製造ラインの効率的な情報取得を実現。2022年2月上旬より提供を開始する。

 凸版印刷はZETAセンサーとZETAネットワークを活用した環境データ自動収集システムを既に自社工場に導入し、運営を行っている。今回の連携開始で「NAVINECT®」においても環境データや、製造ライン情報の自動収集にZETAを活用できるようになった。
これまで「NAVINECT®」では、工場等の製造ライン情報は、生産装置のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)やセンサからの大量のデータを「DockGator®」(※5)を通して高速処理をし、管理・監視していた。
今回提供を開始するZETAとの標準連携機能により、ZETAネットワークを介して取得した製造データを収集・管理する「ZETADRIVE®」(※6)との連携を実施。ネットワークケーブルを敷設しにくい場所や、高速処理をせずに監視頻度を落として問題がない場所にZETAセンサを設置することで、これらの情報の自動取得がデジタルで可能となり、製造ラインの監視の選択肢を大幅に増やすことができる。ZETAネットワークの届く範囲にセンサを置くだけで手軽に監視することが可能になるという。

ZETA連携による特長
●ZETAネットワークを活用した工場ライン情報の取得が可能
 ZETAを活用した死角のないネットワークによって、入り組んだ構造を持つ製造ラインにおいても安定した環境情報の取得が可能。具体的には、装置温度、冷却水温度、照度、振動などを見える化し、遠隔監視が可能となる。
●収集したライン情報をもとにアラート発信が可能
 「装置が異常な高温を発している」、「冷却水の温度が許容範囲から外れようとしている」等予兆を発見し、担当者へアラートを発信することで、事故を未然に防ぐことが可能となる。信号灯の点滅やメールによる連絡など、様々なアラート方法を選択可能。
●「NAVINECT®クラウド」との連携で点検作業の効率化が可能
 「NAVINECT®クラウド」の「工程管理サービス」で提供している、日々の点検記録の管理機能に対して各センサの情報を反映させることで、ワンタッチ入力、および点検帳票のペーパーレス化が可能となる。
●「生産監視パッケージ」によりグラフィカルに監視が可能
 生産ラインの稼働状況を可視化している画面上で各センサの情報も表示が可能。1つの画面で工場のリアルな状況を確認することができる。これにより定期的に現場に足を運んで計器情報を読み取る作業や入力作業を削減でき、集中監視が可能となる。

※1 「工程管理サービス」
 「NAVINECT®クラウド」パッケージ群の1つ。日々の点検作業や部品交換の記録などをPC・スマホ・タブレットで入力し、その結果をクラウド上で管理、便利な入力機能や装置連携により作業効率化を実現するサービス。
※2 「NAVINECT®エッジ」
 生産装置やエッジデバイスのデータを自動的に取得、データをエッジサーバーで高速処理し活用する事により現場改善に寄与するアプリケーションパッケージで、「NAVINECT®クラウド」との連携も可能。
※3 「生産監視パッケージ」
 「NAVINECT®エッジ」パッケージ群の1つ。「生産監視パッケージ」は、生産装置の稼働情報を、インターフェースモジュールを介して収集し、監視画面上にグラフィカルに表示。装置からの情報以外にもZETAの様なセンサデバイスからデータを取得して表示することが可能となる。
※4 ZETA
 ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
※5 「DockGator®」
 様々なデバイス、システム(「NAVINECT®」を含む)、サービスをつなぐハブとなってデータを収集・連携することで、大きな開発負荷を掛けることなく装置の監視や自動制御を可能にするソフトウェアパッケージ。
※6 「ZETADRIVE®」
 クラウド型システムプラットフォーム。データ取得、機器の制御などのAPI(Application Programming Interface)が用意されており、工場ごとのニーズに合わせたシステムやアプリケーションとの連携が可能。

ニュースリリースサイト(TOPPAN):https://www.toppan.co.jp/news/2022/02/newsrelease220203_1.html