キヤノンは、レーザー加工装置におけるレーザー光の向きを自在にコントロールするガルバノスキャナーの新製品として、ガルバノスキャナーモーターGM-2000シリーズ“GM-2010/GM-2015/GM-2020”の3機種を2022年1月13日に発売。
ガルバノスキャナーは、先端に取り付けたミラーでレーザー光の進む方向をコントロールし、レーザー光を狙った位置に照射するための装置。3Dプリンターやレーザー溶接機、レーザーマーキング装置などに搭載されている。スマートフォンタッチパネルやFPD(フラットパネルディスプレイ)製造のレーザー加工、自動車・電池部品のレーザー溶接加工の高精細化にともなって、ガルバノスキャナーの高精度化ニーズが高まっている。GM-2000シリーズは、搭載するミラー(別売り)の大きさに合わせて3種類をラインアップしている。自社開発の新光学式エンコーダー※1を搭載したことにより、従来機種GM-1000シリーズ(2008年発売)に比べ、位置決め精度が向上し、より高精度なレーザー加工を実現するという。
■おもな特長■
・自社開発の新光学式エンコーダー搭載により位置決め精度が向上
自社開発の新光学式エンコーダーを搭載したことにより、従来機種と比べ、“GM-2010/GM-2020”は約8.8倍※2、“GM-2015”は約5.8倍※2の分解能※3でモーター軸の回転角度を検出、制御することができる。これによりレーザー走査の精度や安定性が向上し、直線加工のずれ幅を従来機種に比べ大幅に抑制できることで、より精度の高いレーザー加工が可能となる。また、従来機種同様、光学式エンコーダーとデジタルサーボ技術により、温度変化に伴う加工位置の変化がアナログ式製品と比べ圧倒的に小さく、安定した生産に寄与する。
・従来機種と共通の高いユーザビリティー
すでにミラーやマウントブロック(別売り)を導入済みのユーザーは、従来機種と外寸が同じため、そのまま使用できる。また、ドライバーとドライバーに同梱しているソフトウエアや、コントローラーなどのすでに発売している別売り機器にも対応しているため、新製品とこれらの別売り機器をユーザーニーズに合わせて組み合わせ、ガルバノスキャナーシステムとして提供可能。
※1. モーター軸の回転角度(位置)を検出するセンサ。
※2. “GM-2010/GM-2020″は「GM-1010/GM-1020」と比較。”GM-2015″は「GM-1015」と比較。
※3. 測定対象となる信号(角度)をどの程度細かく検出できるかを示す能力のこと。
■ガルバノスキャナーの市場動向■
PCB(プリント基板)の穴あけ加工、レーザー溶接、レーザーマーキングなど、さまざまな用途が広がっている。3Dプリンターの技術進歩に伴う複雑・高精度形状への対応や、スマートフォンタッチパネル、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造のレーザー加工、自動車・電池部品のレーザー溶接加工の高精細化にともなって、ガルバノスキャナーの高精度化ニーズが高まっている。今後、航空宇宙分野、自動車分野、電気・電子分野、医療分野などの幅広い分野での活用が予測される。(キヤノン調べ)
ニュースリリースサイト(canon):https://canon.jp/corporate/newsrelease/2022/2022-01/pr-dgscanner