AI予測+IoTで下水処理場を省エネ化 流入水量予測+アンモニアセンサ


日新電機(株)は8月23日、アンモニアセンサを用いて下水処理場のアンモニア性窒素濃度などを計測し制御する技術と、晴天日に下水処理場の流入水量などをIoTで予測する技術を、連結子会社の日新システムズ(同)が2018年3月に開発・確立したと発表した。

これらの技術は日本下水道事業団との共同研究で開発された。これにより、従来は運転員の経験と勘で制御していた下水処理の風量を、自動的に適正に保つことが可能になり、下水処理場の省エネルギー化が可能になった。日新電機はこのシステムを導入するメリットを次のように説明している。
◇晴天日の従来運転で比較した場合15%程度の風量削減が期待でき、送風機にかかる電気代が削減できる。
◇流入水量などを予測し揚水ポンプの運転計画が作成されるため経験の少ない運転員の作業負担が軽減されることで、下水処理場の維持管理の効率化を図ることができる。

同技術・システムの特長は下記の通り。
「アンモニアセンサによる制御、AIによる流入水量予測」
1.アンモニアセンサを用いた制御と、晴天日における流入水量などを統計的手法で予測する、共同開発技術を実装
下水処理場では、水を浄化するために、多くの風量(電力で送風)を使用しているが、前述のように運転員の経験と勘で制御していたため、浄化のための適正な風量を制御できないという課題があった。同システムではアンモニアセンサで汚水を連続計測することで、適正な風量で制御することができ、処理水質を維持したまま省エネルギー化することができる。
過去の水処理運転の実績データと気象予報データから流入水量などを予測することで、揚水ポンプの最適運転により流入水量などを平準化させ、維持管理の効率化を達成する技術を開発した。

2.日新電機が独自に開発した、雨天日における流入水量をAIで予測する技術
雨天日、下水処理場の流入水量は降雨の影響を受け、維持管理業務が困難になるという課題があった。これがAIを用いて過去の実績データや気象データから流入水量を予測することが可能となり、雨天日でも維持管理の効率化を実現した。

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