ST、小型SO-8Nパッケージで提供される堅牢な絶縁型SiCゲート・ドライバ

STマイクロエレクトロニクスは、SiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETの制御に最適化されたシングルチャネル・ゲート・ドライバ「STGAP2SiCSN」を発表した。
同製品は、小型のナロー・ボディSO-8Nパッケージで提供され、優れた堅牢性と高精度のパルス幅変調(PWM)制御を提供するとのこと。

電力変換における効率を向上させるSiCは、幅広く普及が進んでいる技術である。
STGAP2SiCSNは、消費電力が重視される電源システムやドライバ、コントローラなどの設計簡略化、省スペース化、および堅牢性・信頼性向上に貢献する。電気自動車の充電システム、スイッチング電源(SMPS)、高電圧の力率補正回路(PFC)、DC-DCコンバータ、無停電電源装置(UPS)、太陽光発電システム、モータ・ドライバ、ファン、ファクトリ・オートメーション、生活家電、IH調理器など、さまざまなアプリケーションに最適な製品という。

また、ゲート駆動チャネルと低電圧制御回路の間にガルバニック絶縁を内蔵しており、高電圧電源で最大1700Vの動作が可能。入出力間の伝搬遅延時間がわずか75ns未満のため、正確なPWM制御を実現すると共に、±100V/nsのコモンモード過渡電圧耐性(CMTI)により、信頼性に優れたスイッチングが可能である。SiCパワーMOSFETが低効率または危険な状態で動作することを防止する減電圧ロックアウト(UVLO)機能や、接合部温度の過度な上昇を検知すると2つのドライバ出力を低下させるサーマル・シャットダウン機能など、保護機能も内蔵されている。

STGAP2SiCSNのゲート駆動出力は、外部抵抗を使用してターンオン時間とターンオフ時間を個別に最適化できる個別出力バージョン、およびアクティブ・ミラー・クランプ機能を使用した単一出力バージョンの2種類から選択できる。単一出力バージョンでは、ミラー・クランプにより電源スイッチの過度な振動を防止することで、高周波数のハード・スイッチング・アプリケーションの安定性を向上させる。

STGAP2SiCSNの入力回路は、最小3.3VのTTL/CMOSロジックと互換性があり、ホスト・マイクロコントローラやDSPと簡単に接続可能である。最大26Vのゲート駆動電圧で、最大4Aのシンク / ソースが可能。また、内蔵のブートストラップ・ダイオードが設計の簡略化と信頼性の向上に貢献すると共に、独立した入力ピンを使用するシャットダウン・モードにより、システムの消費電力を最小限に抑えることができる。

STGAP2SiCSNTRは、SO-8Nパッケージ(5 x 4mm)で提供される。単価は、1000個購入時に約1.25ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001194.000001337.html