構造計画研究所、次世代非破壊検査デバイス「3MA」の提供を開始

(株)構造計画研究所は、ドイツのフラウンホーファー非破壊試験研究所が開発した次世代非破壊検査デバイス「3MA(スリーエムエー)」の提供を開始した。

「3MA」は、金属材料が持つ磁気特性と強度特性を、データ分析・機械学習で結びつけることで、製品・部品を破壊せずに品質を検査する革新的な磁気式センシングデバイス。従来の破壊試験に比べ、品質検査にかかる費用・時間を大幅に削減することが可能である。さらに、産業用ロボットと連携させることで、製造中のリアルタイムな品質検査を実現する。
これまでに欧州の自動車産業を中心に多くの導入実績があるとのこと。

同社ではこれまでに培ってきたデータ分析・機械学習、センシングなどの要素技術と、材料力学・ものづくりプロセスに関する知見をもとに、国内の製造業を中心に「3MA」の販売・技術サポート、委託計測サービス、「3MA」を活用した技術コンサルティングを提供することで、 スマートなものづくりを実現し、品質と生産性の両立を支援するとしている。

■「3MA」の概要
「3MA」は、計測センサ部より取得される磁気特性から、本来は破壊検査によってのみ取得できる機械特性を間接的に推定するソフトセンサ。磁気特性と機械特性には強い相関関係があることが知られており、事前に機械学習を用いてキャリブレーションすることにより、これを可能とする。原理が磁気式のため計測材料は強磁性材料に限られるが、硬さ、降伏応力、引張強度、残留応力、メッキ被膜厚さ、ナゲット径、疲労損傷度など多岐にわたる材料特性の完全非破壊計測が可能となる。
従来、プレス、溶接、切削加工、焼入れなどの工程における品質保証は、抜き取りの破壊試験が主であり、それには材料費、工数、時間を要する。また、万一不良品が出た場合にはロット単位の製品が大量廃棄されることも少なくない。「3MA」による非破壊検査は、これらの課題を解決する技術であり、品質保証プロセスに対する革新的なイノベーションとして大きな期待が寄せられているという。

ニュースリリースサイト(kke):https://www.kke.co.jp/news/solution/newsrelease_20210603.html