新日本無線、多摩川精機と共同開発の車載対応レゾルバ励磁アンプ NJU7870 サンプル配布

新日本無線(株)は、ハイブリッド自動車や電気自動車等で用いられるモータ軸や回転シャフトの角度検出センサであるレゾルバ励磁回路の設計容易化、実装基板やECU※1の小型化、軽量化及び信頼性の向上を実現する、低電圧駆動向けレゾルバ励磁用アンプ NJU7870のサンプル配布を開始した。
※1 ECU : Electronic Control Unit(電子制御ユニット)

概要
 ハイブリッド車や電気自動車など環境対応車に必要不可欠な駆動モータは、高精度な角度検出や高い安全性が求められ、モータ軸や回転シャフトの角度検出センサであるレゾルバが中核的な役割を果たす。このレゾルバシステムには、レゾルバとレゾルバ信号をデジタル信号に変換するR/Dコンバータ、レゾルバに励磁信号を出す励磁回路が必要となる。
 新日本無線は、レゾルバ・R/Dコンバータでの圧倒的な高シェアで市場実績のある多摩川精機(株)と共同開発を行い、高機能なレゾルバシステムとして成立するレゾルバ励磁用アンプNJU7870を開発したとのこと。

特長
1. レゾルバ励磁に最適化された、電圧入力、電流出力の励磁回路により設計の手間を激減
 従来のディスクリート構成にて電圧入力・電流出力(電流制御方式)の励磁回路を構成する際、レゾルバはL負荷であることから回路設計の複雑度が増し、簡易的な手計算と実測が合わない等の課題があり、所望の特性を得るために設計労力を必要とした。
 NJU7870は、差動電圧入力、差動電流出力の励磁回路を集積化し、レゾルバ駆動に最適な回路特性を実現。
 所望の電流振幅に応じた差動電圧信号を入力するだけの非常にシンプルな使い勝手の良いICに仕上げており、従来のディスクリート回路設計での課題であった設計工数の大幅な削減に貢献する。

2. 励磁回路を2回路搭載する事により、広範囲のレゾルバシステムに対応
 さらに、NJU7870は差動電圧入力・差動電流出力回路を2回路搭載しています。各回路の遮断を外部より制御可能とし、1相励磁や2相励磁方式等、各種レゾルバ方式との組合せが可能となる。
 また、ディスクリート構成では実現困難な各相の高精度な特性マッチングを実現し、2相励磁方式のレゾルバシステムにおいて、モータの角度検出の高性能化に貢献する。

3. 小型パッケージSSOP16に集積化し、最小の外付け部品により基板の小型化を実現
 NJU7870は小型パッケージSSOP16に搭載し、外付け部品点数は電源端子に接続するコンデンサのみ。従来のディクリート回路構成よりも大幅な実装面積の縮小化に貢献する。
(従来のディクリート回路構成より90%削減:新日本無線調べ)

製品機能
・動作電圧 (2.4V to 5.5V)
・差動電圧入力・差動電流出力
・トランスコンダクタンス (13.5mAP/VPP typ.)
・動作温度範囲 (Topr= -40ºC to +125ºC)
・消費電流 (4mA typ.)
・サーマルシャットダウン回路内蔵
・外部制御シャットダウン機能搭載
・外形 (SSOP16)

アプリケーション
 角度検出センサ(レゾルバ励磁)

サンプル/生産予定
・サンプル配布中
・生産2021年4月より量産予定

ニュースリリースサイト(新日本無線):https://www.njr.co.jp/news/2021/semi_20210118-NJU7870.html