STマイクロエレクトロニクスは、リチウムイオン・バッテリ(最大56V)で動作するプラグ・アンド・プレイ型の3相ブラシレスDC(BLDC)モータ制御用開発ボード「STEVAL-PTOOL1V1」および「STEVAL-PTOOL2V1」を発表した。
これらの製品は、家庭用 / ガーデニング用のコードレス電動工具の開発に貢献するという。
「STEVAL-PTOOL1V1」および「STEVAL-PTOOL2V1」は、STの高集積3相BLDCモータ・コントローラ「STSPIN32」をベースにしており、小型、低スタンバイ電流をはじめ、電動工具で求められる要件に対応する。ロータ位置検出のためのホールセンサを使用した120度通電ファームウェアも提供されるため、トルク・リップルを抑えて電力効率を最適化することもできるという。
STEVAL-PTOOL1V1は、2セル(7.4V)から6セル(22.2V)までのリチウムイオン・バッテリ・パックで駆動する工具に対応し、70 x 30mmの基板面積で最大15Aの連続駆動電流を実現する。スタンバイ電流は1µA未満。このボードの心臓部には、STの3相BLDCモータ・コントローラ「STSPIN32F0B」が使用されており、32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32F0*、3相ハーフブリッジ・ゲート・ドライバ、電圧レギュレータ(12Vおよび3.3V)、電流センス・アンプに加え、調整可能な過電流保護(OCP)や貫通電流保護、減電圧ロックアウト(UVLO)などといったパワー段の保護機能が搭載されている。
STEVAL-PTOOL1V1のパワー段には、STの60V Nチャネル・パワーMOSFET「STripFET F7」が採用されている。
STEVAL-PTOOL2V1は、8セル(29.6V)から15セル(55.5V)までのバッテリ・サイズに対応し、最大19Aの連続駆動電流を実現可能。STの3相BLDCモータ・コントローラ「STSPIN32F0252」で制御され、3相250Vゲート・ドライバ、STM32F0*マイコン、コンパレータを搭載し、高速かつ柔軟性に優れたOCP機能を提供する。堅牢な設計のSTSPIN32F0252は、出力ピンが-120Vまでの負電圧スパイクに対する耐性を持っているため、電動工具の信頼性の向上に貢献する。STEVAL-PTOOL2V1は、バス電圧検出機能を内蔵し、基板面積は77 x 54mm。パワー段には、STの80V Nチャネル・パワーMOSFET STripFET F7が採用されている。
両製品ともに、速度調整用のポテンショメータ、トリガおよび回転方向設定用の入力、サーマル・シャットダウン、パワー段出力の逆バイアス防止用の保護機能が搭載されています。また、冷却装置を実装済み。
また、コードレス電動工具だけでなく、1シャント制御による3相BLDCモータを搭載するあらゆるバッテリ駆動機器に使用可能。
STEVAL-PTOOL1V1は約41.00ドル、STEVAL-PTOOL2V1は約69.00ドルで入手可能。STEVAL-PTOOL1V1用のファームウェア「STSW-PTOOL1」と、STEVAL-PTOOL2V1用のファームウェア「STSW-PTOOL2」は、ウェブサイトから無償でダウンロードできるという。( https://www.st.com/ja/motor-drivers.html )
* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標。STM32は米国特許商標庁に登録されている。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001102.000001337.html