川崎重工、遠隔操作の自動PCR検査ロボットシステム等の開発

川崎重工業(株)とシスメックス(株)との合弁会社である(株)メディカロイドは、新型コロナウイルス感染症の再拡大に備え、ロボットと医療のノウハウを持つメディカロイドができる社会貢献として、自動PCR検査ロボットシステム等の開発・社会実装の検証を始めた。

具体的にはPCR検体採取をロボットが行うシステム、PCR検体分析における自動化システム、宿泊療養施設や病院などでの移動型ロボットによる連携サポートシステムの3つのシステムで構成されており、医療従事者の感染リスクや作業負担を低減させるとともに、PCR検査体制の拡充に貢献するという。

PCR検体採取においては医師が遠隔でロボットを操作し検体を採取するシステムであり、医療従事者の感染防止が可能となる。本システムには川崎重工が2017年に発表した遠隔協調システム「Successor(サクセサー)」の技術が活かされている。また、PCR検体解析を自動化することにより、24時間連続稼働可能なPCR分析センターを運営することが可能となる。加えて医療従事者の感染防止やヒューマンエラーの防止、医療従事者の人員不足の対策に貢献することが可能となるとのこと。

移動型ロボットシステムを使用した病室サポートにおいては、簡単な問診や体温・心音の確認などの診察準備を遠隔操作で行うことや、食事の状態や薬量を記録するなどの情報を共有することができる。このシステムを導入すれば、パンデミック終了後の平時においても、看護スタッフ不足を補う機器として活用することが可能。本システムの開発においては神戸市と連携しており、日本初の官民共同事業を展開しているという。
川崎重工グループは、これらの取り組みを通じ安心安全に移動できる環境づくりに貢献していくとしている。

ニュースリリースサイト(kawasaki):https://www.khi.co.jp/sustainability/covid19/pcr.html