STマイクロエレクトロニクスは、新しい高速耐放射線性製品ファミリに初のロジックICを2品種追加したことを発表した。
これらの製品は、航空宇宙アプリケーションで150MHzを超える性能を発揮するという。
新たに発表されたQML-V認証取得済みの「RHFOSC04」(SMD*1 5962F20207)オシレータ・ドライバ / 分周回路、および「RHFAHC00」(SMD 5962F18202)クアッドNANDゲートは、標準的な耐放射線性ロジックICの2倍以上のゲート速度が特徴で、高周波数回路における高速応答を実現する。
両製品は、航空宇宙業界で幅広い実績のあるST独自の130nm CMOS技術によって設計されており、高速、低動作電流というメリットを有するほか、放射線耐性300krad(Si)TID*2というクラス最高のRHA(放射線耐性保証)認定を取得している。また、125MeV.cm2/mgまでSELおよびSETフリー*3。
電源電圧範囲は1.8V~3.6Vで、人工衛星や宇宙船に搭載される製品の設計において電力およびエネルギーの厳しい制約に対応可能。
RHFOSC04は、複数のディスクリート・ロジック部品の機能を組み合わせて水晶発振子を直接駆動できるため、回路設計の簡略化や安定性の向上に加え、基板の省スペース化やシステムの信頼性向上に貢献する。また、分周回路により、公称周波数、2分の1、4分の1、および8分の1の出力を柔軟に選択することができるとのこと。
RHFOSC04およびRHFAHC00は、アプリケーションでのシステム・イン・パッケージ(SiP)集積が可能なベア・ダイ、またはハーメチック(気密封止)セラミックFlat 14(RHFAHC00)およびFlat 10(RHFOSC04)パッケージで提供されるという。
価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせのこと。
*1 SMD : Standard Microcircuit Drawing番号。QML-V認定機関が発行し、航空宇宙業界で一般的に使用されている部品参照
*2 TID : Total Ionizing Dose(総吸収線量)
*3 125MeV.cm2/mgにおいてSELおよびSETフリー : 重イオン誘起のシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)およびシングル・イベント・トランジェント(SET)障害に対する耐性の数値
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001082.000001337.html