三井化学(株)は、ヒトの体温を感知して、自己粘着を発現する体温感知自己粘着シート(開発品)の顧客へのマーケティングを本格的に開始したと発表した。
(画像はセンサ装着イメージ図)
■自己粘着性とは
この新素材の最大の特徴は、人肌で温めることで、自己粘着性を発現することである。
自己粘着性とは、糊を使用せず、シートそのものを人肌に加温することでシート同士が引っ付くというもの。糊を使用していないため接着面に糊残りの心配もなく、非常に衛生的でかつ貼ったり剥がしたり何度でも繰り返し使用できる。
また素材自体が透明性を有することから、商品のデザイン性・意匠性の向上にも貢献できるという。
■ターゲット分野として
想定用途の一つとして、面ファスナーの代替がある。このシートを使用することで、面ファスナー使用時の不満点、接着面への糸屑などのゴミ付着、破損、着脱時の「バリバリ」という音等、を解消できる。さらに厚みもより薄く仕上がるので商品のデザイン性も向上するとしている。
また、この新素材は、人肌で温めることで柔らかくカラダにフィットする性質も有する。よって、衣料(インナー、シューズ、スポーツ、アウトドア等)・服飾雑貨(腕時計のベルト、眼鏡、ベルト、玩具等)、医療・介護用品(サポーター、バンド、防護服、フェイスマスク等)各産業分野における固定部材として、広く利用できると考えているとのこと。
■アフターコロナの時代に
新型コロナウイルスの影響により、リモート社会へのパラダイムシフトが始まった社会において、ウェアラブル、VR、AR、eスポーツ、医療IoTや、新たな市場で、カラダに装着するデバイスの需要が急拡大することが予想される。体温感知自己粘着シート(開発品)は、この急成長が予想される新市場にも貢献できる素材であると考えているという。
ニュースリリースサイト(mitsuichemicals):
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2020/2020_0623.htm