メロディ・インターナショナル(株)は、JDWNR病院(第3代国王の名を冠するブータン最大の王立病院)及び保健省と連携し、第一段階として国内20地区への遠隔胎児モニタリングシステムの導入を開始することを発表した。
ブータン王国は、東にヒマラヤ山脈、南にインド、北に広大なチベット自治区と隣接し、大きく3地域20県に分かれた、九州ほどの面積の山岳国家である。
出産設備の整ったレファラル病院は、各地域に一施設しかなく、搬送には険しい山道など多くの困難を伴う。
母子保健の指標は、新生児死亡率(千出生あたり)17.1人、母体死亡率(10万出生あたり)183人 [※World Development Indicators (WDI) 2017]と近年改善しているものの、日本などの先進国と比べると数十倍の開きがあるとのこと。一方日本は、出生時における母子死亡率は世界でも群を抜いて好成績であり、その高い周産期管理技術が注目されている。
今回、ブータン王立のJDWNR病院にて2011年より小児科医として9年間尽力してきた西澤和子医師が、同病院の産婦人科医と協力しブータンの母子保健向上のため、導入に貢献した。西澤和子医師は、当初ブータン王国にひとりしかいなかった新生児専門のブータン人医師と共に、長らく医療水準の向上に尽力してきた功績が認められ、2017年にブータン国王陛下より、National Order of Merit 国家功労勲章を受章したという。
日本における遠隔胎児モニタリングの歴史として、皇室出産における活用があげられる。皇后陛下雅子様や秋篠宮妃殿下紀子様が悠仁様ご出産の際に「モバイルCTG(トーイツ)」が胎児管理に活用され、当時の雑誌やテレビなどのメディアでも注目された。
今回の導入では、昨年8月に秋篠宮両殿下並びに悠仁様がブータンを訪れブータン国王夫妻と親交を深められたことと、日本における遠隔胎児モニターの皇室出産での活用の歴史とが結びつく結果となったとしている。
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