STマイクロエレクトロニクスは、フライバック・コンバータ向け2次側同期整流(SR)コントローラのSRK1000AおよびSRK1000Bを発表した。両製品ともに高効率かつ低消費電力を特徴とし、バッテリ・チャージャ、急速充電器、アダプタ、およびUSB Power Deliveryコネクタに向けた低コストかつ小型の製品とのこと。
SRK1000AおよびSRK1000Bは、高速なターンオンと最小の遅延時間を実現できるよう設計され、適応型アルゴリズムによる革新的なターンオフ回路を採用している。同期整流MOSFETの導通時間を最大化するとともに、外付け部品なしで寄生インダクタンスによる影響を最小化できるため、システム効率の大幅な向上と部品点数の削減に貢献するという。
また、擬似共振(QR)コンバータや連続導通モードおよび不連続導通モード(CCM/DCM)混合の固定周波数動作(最大300kHz)など、幅広いフライバック・コンバータに対応しているため、システム設計の簡略化に貢献。さらに、抵抗値を選定してターンオン後の待機時間(TON)を設定することで、ノイズによる誤動作を防止することも可能である。ターンオフ後の固定待機時間(TOFF)は、それぞれSRK1000Aが2μs、SRK1000Bが3μs。
両製品ともに、軽負荷時でも高い効率を発揮する低消費電力モードを備えており、同期整流のメリットが得られなくなるまで負荷が下がると、低消費電力のスリープ・モードに入る。これは、1次側コントローラがバースト・モード動作に入ったことを検知するか、同期整流MOSFETの導通時間が最小TONの設定値を下回った場合に実行される。低消費電力モードにおける暗電流はわずか160µA。
また、幅広い電源電圧範囲(4.5V~32V)および100Vのドレイン・ソース間定格電圧を持ち、出力電圧が19Vまでのアプリケーションに最適であるとともに、CCMでは最低2Vまで出力を制御することが可能。最大1Aのシンク出力と最大0.6Aのソース出力で外部Nチャネル同期整流MOSFETのゲートを制御することができるという。
SRK1000AおよびSRK1000Bは、6ピンのSOT23-6Lパッケージ(2.9 x 2.8mm)で提供される。単価は、1000個購入時に約0.26ドルとのこと。
ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001058.000001337.html