アスザックと長野農試場の「クロップナビ」コムギ赤かび病の発生予察に貢献

!– wp:html –>

 アスザック(株)P&D事業部と長野県農業試験場が共同開発した「クロップナビ」が、長野県内のコムギ赤かび病の発生予察に貢献していることについての記事を2024年6月24日に同社ホームページで紹介した。

■コムギ赤かび病とは
 赤かび病は糸状菌(かび)の一種に起因する麦類の重要病害で、主にコムギやオオムギ等の穂に感染する。本病は、麦の出穂期から開花最盛期(大麦は穂揃期)に雨が多く、気温が高く経過すると発生しやすくなる。長野県北信地域の一部の栽培圃場では、すでに初期病斑が確認されている。また、赤かび病菌はかび毒であるデオキシニバレノール(DON)を産生することから、適切な防除対策が必要である。デオキシニバレノール(DON)とは、人畜に対して有害な毒素を発生するかび毒で、摂取すると悪心、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまい及び発熱といった急性症状を引き起こすことがある。

~背景~
 令和5年12月に、岩手県産ナンブコムギから基準値を超える「かび毒」が検出された。この小麦は県内外の給食やふるさと納税の返礼品にも使われており、因果関係は不明だが、給食を食べた児童や生徒が体調不良を訴えて病院を受診するなど大きな問題になった。その後、令和6年4月に滋賀県でも「麦類赤かび病多発のおそれ」として病害虫発生予察注意報が出され、長野県も令和6年6月3日に長野県農政部と長野県病害虫防除所から「病害虫発生予察注意報」が発令されている。

■クロップナビとは
 アスザック(株)と長野県農業試験場が2007年にイネの「いもち病」の発生予察として共同開発した機器。測定したい農地に直接置いて、気温・降水量などの気象データや土壌成分値などの土壌データを収集し、作物の生育やいもち病などの予防に活用されている。また、通信機能をつけることで測定したデータをWEB上で確認出来るので、わざわざ現地に向かわなくても農地の管理が出来る。

 コムギ赤かび病の感染予測については、約9年前に長野県農業試験場で発生予測の理論式が考案され、そのプログラムがクロップナビに搭載された。現在はコムギ赤かび病の発生予測のために県内5地点にクロップナビが設置されて観測をしている。今回の長野県農政部・病害虫防除所からの注意報も、クロップナビで観測したデータを基に発令されている。
 また、クロップナビがコムギ赤かび病の発生しやすい好適条件日を観測し知らせることで、農家の皆さんは適正なタイミングで農薬散布し防除対策をとることができるという。

プレスリリースサイト:https://www.atpress.ne.jp/news/399174