「プラネタリーヘルス」実現へ。衛星データ利用により、気候変動・大気汚染問題に取り組む。

 (株)sorano meは2021年より三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)〔以下、「MURC」〕を事業パートナーとしてプラネタリーヘルス事業の検討を開始し、2023年からは(株)三菱UFJ銀行〔以下、「MUBK」〕や、大気汚染問題に取り組む現地スタートアップPT. Nafas Aplikasi Indonesia(以下、「Nafas」)の協力も得た上で内閣府宇宙開発戦略推進事務局の「令和5年度課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」に採択され、「PM2.5濃度推測モデル」を構築した。
 同社はビジョンに掲げている「わたしたちの日常を、宇宙ビジネスで豊かにする」を実現するため引き続き長期的な活動を続けていくという。

■三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)・(株)三菱UFJ銀行との協業事業について
 昨今、世界的に深刻化する気候変動や大気汚染によって健康被害(循環器・呼吸器疾患等)が生ずることが明らかとなってきている。そこで、衛星データ・測位データやIoT・ドローン計測を中心としたリモートセンシング技術の社会実装を行う同社は、デジタルヘルス含む最新のテクノロジーを活用し、グローバルヘルスの課題解決に取り組むMURCとの連携事業を開始した。同社とMURCは、大気汚染による健康被害が社会課題となっているインドネシアに着目し、2022年に現地関係者との事業化に向けた調整や現地視察を実施した。その過程で、現地のスタートアップとの連携が実現し、2023年9月、内閣府の2023年度「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」にMURC・MUBKと共に採択された。

 本実証プロジェクトでは、現地スタートアップNafasの持つ地上環境データ(IoTデバイスにより取得された、大気汚染や気象に関するデータ)と衛星データ等を掛け合わせた「PM2.5濃度推測モデル」を構築し、ジャカルタ首都特別州(※セリブ諸島を除く)のPM2.5濃度を可視化することに成功した。
 今後同社は、開発モデルの精度向上を目指すと共に、他地域への展開も含め検討を進めていく。加えて日々の疾患リスク変動を天気予報のように共有することが可能な「プラネタリーヘルス疾患リスク可視化システム」の構築を目指す。そのため、現地の医療データ(保険データ)を扱う企業などとの連携を深め、医療データとPM2.5濃度データを組み合わせることで、関連疾患の罹患リスク推測モデル構築を目指す。これにより、大気汚染関連の健康被害に悩まされる人々に対して有益な情報を提供し、リスクに応じた行動変容を促進するとのこと。

■Nafasとの連携について
 Nafasは、空気質改善を通し人々の健康改善に取り組むグリーンテック・スタートアップ企業である。Nafasはジャカルタ特別州を中心に地上IoTセンサを約130箇所設置し、そこから観測されるPM2.5等の情報を、大気汚染マップアプリを通じて市民に提供している。また、空気質モニタリング・ハードウェア連携・AIを活用した空気質分析を組み合わせ、屋内・外の包括的なソリューションを提供している。
sorano meが本連携事業を通して構築した「PM2.5濃度推測モデル」をNafasと連携し活用することで、同社の事業コスト最適化、事業地域・対象顧客の拡大等を通じ、現地の健康被害の改善が期待できるとしている。  

プレスリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000077861.html