ST、低オフセット、ゼロドリフトおよび広ゲイン帯域幅のオペアンプ

STマイクロエレクトロニクスは、きわめて低いオフセット電圧を特徴とし、温度ドリフトを最小限に抑えた高精度のゼロドリフト・オペアンプ「TSZ151」を発表した。同製品は、センサ・インタフェースや信号処理、電流測定用回路の精度と安定性の向上に貢献するとのこと。

高精度オペアンプの性能において、超低入力オフセット電圧(Vio)は重要なパラメータである。TSZ151のVioは、25°Cで7µVよりも小さく、-40°C~125°Cの動作温度範囲全体にわたり、安定して10µV以下を維持する。この高い安定性により、定期的な精度補正回数を最小限に減らすことができるため、最終製品のライフサイクル全体における稼働率の向上が可能である。

TSZ151の消費電流は、わずか210μA(5V動作時)で、1.6MHzのゲイン帯域幅を備えている。STのオペアンプ「TSZ121(400kHz)」と「TSZ181(3MHz)」の中間に位置する製品として、速度や消費電力を最適化するための選択肢を広げるとともに、柔軟な設計を可能にする。同製品は、優れた電力対速度比および、300pAというきわめて低い最大入力バイアス電流も備えている。

また、1.8Vから動作するため、システム内のその他のIC(低電圧マイクロコントローラなど)と同じ電源電圧で駆動できる。レール・ツー・レールの入出力が広いため、幅広いダイナミック・レンジが得られる。また、消費電力がきわめて低く、低い電源電圧で動作するため、小型バッテリでも長時間の動作が可能。

TSZ151は、-40°C~+125°Cの幅広い動作温度範囲を備えており、過酷な環境に設置される機器や、長時間のミッション・プロファイル(さまざまな使用環境)が求められるアプリケーションに使用することができる。産業機器 / サーバ / 通信インフラ用電源のフィードバック回路や、車載機器向けの高精度な信号処理および電力変換などに最適。TSZ151は、AEC-Q100規格に準拠しており、STの10年間の長期製品供給保証プログラムの対象製品である。

TSZ151は現在量産中で、小型のSC70-5パッケージまたはSOT23-5パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約0.58ドル。

製品サイト:https://www.st.com/ja/amplifiers-and-comparators/tsz151.html