分解能1um以下高出力型X線源搭載 ナノ-CマイクロマルチフォーカスX線傾斜CT「MUX-6410」

マーストーケンソリューション(株)〔以下:MTS〕は、160kV出力で分解能1μm以下のナノ-マイクロマルチフォーカスの開放管X線源の開発に成功し、それを搭載したX線傾斜CT「MUX-6410」を販売する。

■「MUX-6410」概要
 開発に成功した新型X線源は、従来のX線源の課題であった高出力による分解能の低下を解決したもの。従来のX線源は高出力になるとX線焦点が大きくなり、「拡大すると画像がボケる。」「高出力を出すにはフィラメントにヘアピンタングステンを使用するためX線焦点が絞れない。」「X線出力が高いと電子線がドリフトするのでボケた画像になってしまう」等が課題となっていた。
 2年間の開発期間にて、当社で実績のある高輝度フィラメント(Lab6チップ)を採用しつつ、レンズ設計や高圧電源部を見直す等で電子線のドリフトを防ぎ、低電圧の60kVと高電圧の150kVでも0.5μmの分解能を実現することに成功。これにより、「狭ピッチ」と「高コントラスト」をキーワードにして、X線が透過しにくい上、内部構造が微細なものやX線が透過しやすいものが同居しているものを対象に半導体、電子部品、多層基板、高密度コネクタやMEMSなどの高精細な観察を可能とした。
 新型X線源の搭載に伴い、X線の透過力が高くなった、X線量が増えたことにより検出器を最適化。新たにフラットパネルを採用により、デジタルズームに頼らない特長である従来当社製品の拡大率(幾何学倍率)を維持しつつ、より高コントラストな画像を得られるようになった。
 本装置の標準機能として幾何学倍率200倍まで拡大ができる実装基板やシステムLSI等に対応した傾斜CT機能を搭載。10mm以下の試料をより高精細な3次元CT像を得ることが出来る直交CTユニットや加熱しながらハンダの溶ける様子を2D動画記録ができる加熱装置などオプションを有し、レントゲン的な透視検査だけでなく、3DCTや2D動画撮影などX線検査の幅を広げることを可能としている。

■用途
●半導体内部構造の解析
 2.5D/3Dパッケージ (SoCやFC)
  微小はんだバンプのボイド/クラック/接合面
  インターポーザー基板のVIA、TSV(貫通電極)のクラック
  金/銅ワイヤの接合不良、ワイヤの接触部(ショート)、立体的ワイヤ配線のクリアランス
 パワー半導
  アルミワイヤの接合不良や断線等
●電子部品内部構造の解析
 セラミックコンデンサ(MLCC)
  0402~1005サイズの1μmレベルの内部配線、断線、異物やチップクラック
 水晶振動子
  振動子のカシメ部、水晶部のクラックなど
●多層基板の配線パターンの解析
  内部配線パターンの断線、VIAやスルーホールの埋まり具合やクラック
  基板内部に実装された極小コンデンサの接続やショート
●他配線小型コネクタ/MEMS
  狭ピッチの配線パターンや内部接触

■価格と年間販売台数
 定価:8,000万円
 年間販売台数:10台目標

■その他 ・本装置の販売だけでなく、受託撮像サービスも提供。
・公共機関のような装置レンタルだけではなく、当社の専任オペレーターが撮像を行い、最適条件での三次元CTデータを提供し。試料によっては撮像の可否の事前評価を無償で行う。
・オペレーターによる撮像費用
 1撮像 18万円(※数量、金額についてはご相談可能。三次元解析についても別途費用。)

■納期:1~2週間(目安)

製品サイト:https://www.mars-tohken.co.jp/xray/products/xray-inspection/mux6410