ALANコンソーシアム、水中事業の実現を目指すベンチャー設立と新技術

ALAN(Aqua Local Area Network)コンソーシアム(代表:島田 雄史)は、日本が世界をリードしている水中光技術の活用を通じて新市場の創出や社会課題の解決に向けて活動している。
この度、海洋・海中を代表とする水中環境において、新コンセプトの水中センサロボットを駆使し、新たな水中事業の実現を目指す「アクアジャスト株式会社」を設立及び本コンソーシアムの活動成果を発表した。 また、今回の発表内容については、CEATEC 2023において一般社団法人日本水中ドローン協会との共同出展及びALANフォーラムと題したコンファレンスにて紹介する。

■コンソーシアム発ベンチャー会社概要
 会 社 名:和名)アクアジャスト株式会社 英語名)AQUADJUST Co. Ltd.
 設  立:2023年2月6日
 役  員:代表取締役CEO  島田 雄史(しまだ・たけし)
 H   P: https://www.aquadjust.com/

□事業内容:
 海洋・海中を代表とする水中環境に適した水中センサロボットをプラットフォームとして、水中リアルモニタリングシステムを構築する。システムより取得したデータの運用やデータを活用したサービスを行い、水中環境下の大容量データ伝送を実現すべく水中光無線通信も手掛ける。
 また、センサ・通信に関しては、光だけではなく、音波、電磁波、カメラ等の技術とのマッチング・ミキシングを行うことによって水中環境のDX化を推進する。

□設立経緯:
 本コンソーシアムでの5年間の活動を通じて、メンバーらは「水中環境の定量化・リアルモニタリング」の必要性を見出すと共に、それに特化したセンサロボットをプラットフォームとして、常に海洋・海中を代表とする水中環境下での実証を行わねばならないことを痛切に感じた。本コンソーシアム内においては、水中 ToF LiDARによる計測システムの開発や超高速水中光無線通信の実証には成功はしているが、その一方で今後の社会実装に向けては、音波、電磁波、カメラ等の技術とのマッチング、ミキシングについて実証や検証が必須となるという。

■コンソーシアム活動成果発表
 ALANコンソーシアムは発足から5年間の活動成果としてALANレポートの作成を行った。本レポートはコンソーシアムの活動、水中・海中という次世代の経済圏の実現に関わる水中光技術に関して想定している産業と応用領域、技術動向、市場予測などについて詳細に説明し、専門家の知識に基づいて執筆されている。レポートを通じ、水中光技術(特にLiDAR・光無線通信・光無線給電)や、水中ロボティクスなどの技術動向の共有や社会実装に必要なニーズ等の情報共有、これに関する研究開発等の成果の情報発信を通じて、社会の理解促進や市場の活性化を期待しているとのこと。

■世界初の「水中フュージョンセンサ」技術を紹介
 本コンソーシアムでは、水中をモニタリングするために光無線技術のLiDARをコア技術として研究してきた。現在、水中のモニタリングをより一層図るため、LiDARとカメラを組み合わせた新技術の開発がトリマティス(株)にて進行している。本技術は従来にはなかった、RGB三色レーザ搭載LiDARの使用と LiDARとカメラの同時搭載かつハード的に融合しているという点で世界初の技術となっており、現在この「水中フュージョンカメラ」技術について特許出願をしている(画像)。
 現在はセンサによって取得したデータを複雑な画像処理推定技術によって元の色合いの復元を行っているが、これによる精度と処理時間の課題を本技術によって解決することが可能となる。11月より顧客と実証実験開始を予定している。
今後は、各業界各ユースケースでのデータをもとに水中フュージョンセンサ市場の拡大を目指すとしている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000079043.html