Rist、オムロンと合意締結、画像処理システム製品「FHシリーズ」のAI技術開発面で連携

(株)Ristは、オムロン(株)との間に、オムロンの画像処理システム製品「FHシリーズ」の開発における協業基本合意書を締結した。


・Ristの外観検査AI開発について
 Ristは、画像AI事業を主力事業の一つとして、製造業を中心に外観検査AIシステムの導入実績を数多く有している。人の感覚や熟練検査員の経験・ノウハウに依存してきた目視検査をオーダーメイドのAI開発によって自動化することで、人員負荷や労働力不足の課題を解決してきた。

・締結の背景
 上記に述べた外観検査AIシステムの知見や開発実績を活かし、Ristは画像AIモデルの学習・評価・推論を行うソフトウェア・ツール「RPipe-Image」を開発した。「RPipe-Image」は、外観検査装置に組み込むことを前提に開発したプロダクトである。2022年10月に正式版、2023年6月には各種機能をアップデートした「RPipe-Image ver.2.0」をリリースした。

「RPipe-Image」は、AI技術を搭載した画像処理システムの技術開発を進めているオムロンにも、トライアルで利用された。

オムロンは、外観検査の自動化を実現する画像処理システム製品「FHシリーズ」の販売を行っている。「FHシリーズ」は、AI技術によって人の感性に近い判断基準によるキズ・欠陥検出ができる点が特長。昨今、AI技術の著しい発展に伴い、企業が外観検査装置に求めるニーズが多様化していることから、さらなる機能の向上を目指しているという。

今後、「FHシリーズ」のAI技術開発に「RPipe-Image」を活用することで「FHシリーズ」の機能向上を目指し、両社間で継続的に連携を図っていくため、この度の合意書締結に至った。

オムロンの画像センサは「人の目に迫り、超えていく」を掲げており、最新のAI技術の研究開発を行うことで、人の感性により近く、簡単に使いこなせるAI画像処理システムの実現を目指している。一方、Ristは「人類の感覚器官に、自由を取り戻す」をミッションに掲げ、人の感覚を再現する高いAI技術の提供と、一つでも多くの外観検査現場へのAI導入を目指している。

両社は異なるビジネスモデルを展開しながらも、目指す方向性において高い親和性を持っており、共に技術開発の連携を図ることによって、外観検査AIの開発技術力の底上げと、現場への高精度な外観検査AI導入の加速化に貢献できるとしている。

・今後の展望
 今回の協業基本合意書は、「FHシリーズ」のAI機能の向上と技術開発面において連携を図っていくことを目的としている。具体的には、ディープラーニング技術を用いてさまざまなシーンでの外観検査に対応できる機能を兼ね備えた「RPipe-Image」により開発したAIモデルを、「FHシリーズ」と連携することで、外観検査における、より高精度な分析結果が出せる機能にアップデートし、AIによる判断を人の感性にさらに近づけるための技術開発を目指すとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000023649.html