PASCO、暮らしの安全をまもるIoTインフラ遠隔監視サービス

(株)パスコは、人工衛星や航空機、ドローン、専用車両、船舶などに搭載したセンサを活用して計測し、経年変化などの分析結果から、社会課題の解決に向けたサービスを提供している。

 このたびパスコは、老朽化が危惧されるインフラの1つである道路橋の監視に有効なIoT技術を用いたセンサと、本センサを活用したIoTインフラ遠隔監視サービス「Infra Eye(インフラアイ)」を開発した。本サービスは、センサのレンタル・メンテナンス、データ通信・データ閲覧サービスを含めた定額制サービスとして、2023年4月より提供を開始する。

■背景
 高度経済成長期に集中的に整備された道路橋やトンネル・河川・上下水道・港湾などのインフラは、急速な老朽化が危惧されている。インフラの老朽化対策は国を挙げて取り組む社会課題の一つであり、効果的な維持管理・更新が求められている。インフラの中でも、道路橋は約73万橋もあり、そのうち約55%が2030年3月には建設後50年以上経過すると言われている。(※1)
 道路橋の安全確保のため、道路管理者には5年に1度の法定点検に加え、目視などによる巡回監視も求められている。2019年2月には、道路橋定期点検要領に道路橋の点検結果による措置として「監視(モニタリング)」が明確に位置づけされた。しかしながら、職員不足の問題や管理区域が広く、巡回のための移動やこれに係る時間が道路管理者にとって大きな負担となることが懸念されている。
 ※1:国土交通省 第28回社会資本メンテナンス戦略小委員会資料より(2022年4月)

■IoTインフラ遠隔監視サービスについて
 本サービスは、自社開発したセンサを道路橋の桁端部と橋台をまたぐ形で設置し、遊間離隔(※2)を24時間センサで計測・記録する遠隔監視サービス(※3)。計測結果は、インターネットを介して、毎日、管理者のもとに提供するとともに、日常的な変位量を越えた値を計測(※4)した際には、自動で利用者にメールを発信する。(特許及び意匠出願中)
 本サービスでは設置するセンサをレンタル提供とし、初期費用(設置費込み)と定額費用による契約方式を採用する予定(※5)。定額費用には、センサのレンタル料、通信料、センサの故障修理、メンテンナンス、計測結果が確認できるWebシステムの利用料をパッケージにする予定である。
 ※2:桁と橋台の胸壁や桁同士がぶつかって損傷が起きないよう設けられる隙間の幅
 ※3:本サービスは橋梁全体の健全性を知らせするものではない
 ※4:一定期間計測し日常的な変位の値を確認し、しきい値(境界値)を設定(センサごとに設定)
 ※5:本発表時点では価格未定

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000027890.html