京セミ、アバランシェフォトダイオード「KPDEA003-T」発表

(株)京都セミコンダクター (以下京セミ) は、光ファイバー敷設の際に不可欠なOTDR (Optical Time Domain Reflectometer: 光パルス試験器) *1向けに、高感度・高増倍・低ノイズを実現したKP-A アバランシェフォトダイオード*2「KPDEA003-T」を発表した。

DXおよび5Gの普及に伴い、光ファイバーの敷設も増加の傾向にある。光ファイバーの敷設でいち早く異常を発見するために、OTDRに使用されるアバランシェフォトダイオードには非常に高感度で低ノイズの特性を満たす要望があった。

要望に応えるべくKP-A アバランシェフォトダイオード「KPDEA003-T」はOTDRなどの光ファイバーのセンシング向けに開発された。本製品はSC光コネクター付きシングルモードファイバーが同軸上に一体化されたモジュールなので、SC光コネクターをご使用の光学機器と容易に接続が可能である。京セミの独自開発のウエハ構造で同社従来製品より2倍の高増倍*3での使用が可能となった。また暗電流の低減も実現しており同社従来製品の1/5の低ノイズ*4性能となっているという。

これらの特性によりPINフォトダイオードや従来型のアバランシェフォトダイオードでは出来なかった微弱な光のセンシングが可能になる。OTDRをはじめとした光ファイバーのセンシングはもちろんのこと、他の医療・分析分野のセンシングや光通信用途など幅広く使用できる。
なお、KP-A アバランシェフォトダイオード「KPDEA003-T」の量産開始は2022年9月30日を予定している。

*1 OTDR: Optical Time Domain Reflectometer 高速通信で用いられる光ファイバー網の障害を発見する光通信用計測機器
*2 アバランシェフォトダイオード: 逆バイアス電圧を印加することによる光電流増幅を備えた半導体フォトダイオード。 この光電流増幅は、通常のフォトダイオードよりもはるかに多くの電流を発生する。 高感度が要求される用途に使用される。
*3 従来製品KPDEA005-56Fとの比較 電流増倍率: M=58  測定条件: 入力発光波長λ=1310 nm , VR=V (at ID=1µA)
*4 従来製品KPDEA005-56Fとの比較 暗電流: ID=2 nA 測定条件: 逆電圧VR=降伏電圧VBR x 0.9

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